とっても好きだったのに、シーズンを重ねていくと何故かテンションが下がっていき、あまり見なくなってしまうドラマがあります。『パーソン・オブ・インタレスト』や『ホワイトカラー』、『コバート・アフェア』。
その一方で、いい意味での緊張感が続いているのが『グッドワイフ』 ~The Good Wife。
法律事務所、法廷バトル、政治活動、選挙運動と盛りだくさんなのに、スッキリみせる余裕のあるドラマです。
主役のアリシア・フロリック役のジュリアナ・マルグリースは、『ER』の看護師役を演じた好感度の高い人。女性に好かれる女性だと思います。
州検事の夫ピーター・フロリックが高級売春婦と浮気し、そのセックス・スキャンダル絡みで収監されたのをきっかけに弁護士としての活動を始めます。
夫から酷い裏切りを受けたのに、離婚もせずに家庭を護り続けるアリシアのことを「ドアマットみたいに踏みつけられていいの?」と問う声もありますが、子供もいるし、夫への想いもまだ残っているし、結婚てそんなに簡単に解消できるものじゃないのよ!というアリシアの心の声が聞こえそうです。
芯の強い女性であり、初めの頃はオドオドしている時もあったのですが、最近ではしたたかな弁護士としての顔も板についてきました。
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夫ピーター・フロリック役のクリス・ノースは『LAW & ORDER』『SEX AND THE CITY』で見慣れた方。政治家役にピッタリです。カリスマ性やパワーを感じさせる人で、シーズン4では知事に当選!
大統領選のことも視野に入れているようですが、あのセックス・スキャンダルは障害にはならないんでしょうか?もちろんクリントン大統領の前例があるので、潔く謝罪して乗り越えればOKなのでしょうか・・・アメリカでは?フランスでは、女性関係などはあくまでもプライベートの生活のことなので、無関係なようですが。
ウィル・ガードナー役のジョシュ・チャールズ。
ウィルはアリシアの学生時代の友人で、事務所への就職も紹介してくれた人。顧客の資金の使い込みがばれたため、弁護士資格を6か月停止されてしまいますが、第4シーズンの半ばで無事に戻ってくることが出来ました。
アリシアとの関係も終わらせたのに、まだ何だか残り火が燻っている状態・・・。なのに、どうやら第5シーズンで亡くなってしまうそうです。同じドラマでずっと同じ役柄を演じるのに疲れたのでしょうか?時々、こんな風にドラマの途中で降板する俳優さんがいます・・・。少し、もったいない気もするのですが。
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ケイリー・アゴス役のマット・ズクリィ(Matt Czuchry)は、『ギルモア・ガールズ』に出演していた魅力的な人です。
アリシアと同期ですが、一時は検事局に転職(事務所がアソシエイトの数を減らしたため)、今回の第4シーズンで事務所に復帰。
頭が良くて野心的、でもガツガツしていない。反論するかな?と思われる場面で、薄っすらとした曖昧な微笑を浮かべるのが得意です。親に突き放されてきたのですが、父親を仕事で乗り越えることが出来たのでトラウマは無くなったかもしれません。
第5シーズンでは、アリシアと事務所を設立して独立します。
第6シーズンでは、ドラッグ絡みの犯罪に巻き込まれ、収監されてしまうことに・・・。あまりケイリーをいじめないでいただきたいものです。
cuteなケイリー・アゴス
カリンダとケイリー
イーライ・ゴールド役のアラン・カミングは、もしかして『グッドワイフ』の俳優陣のなかで最も有名で力のある俳優なのではないでしょうか。
スコットランド出身で、舞台『キャバレー』で↓トニー賞を獲得しています。
舞台『キャバレー』 真ん中がアラン・カミング
最近では、映画『チョコレート・ドーナツ』も評価が高いです。
舞台に映画にドラマ出演。とても忙しそうなアラン・カミングですが、イーライ・ゴールドはピーターの州知事選の政治コンサルタントとして活躍。途中で司法省に睨まれて捜査を受けたりもしますが(とばっちりを受けて、事務所も家宅捜査の対象になる)、めでたくピーターを当選させます。事務所のビジネス・パートナーでもあるのでかなり頻繁に現れる役ですが、たまに片眉だけを上げて懸念を表する場面は見逃せません!
政治家としてだけではなく、人間としてのピーター・フロリックに惚れ込んでいる模様。
ダイアン・ロックハートを演じているのはクリスティーン・バランスキー。
ジュリアード音楽院を卒業しているので、音楽の才能もある女優さんです。
かなり特徴のある顔つきで、美人か否かなんて論じることのできない、タフなビジネス・ウーマンのイメージにピッタリの人です。
ダイアンのお相手の弾道分析の専門家、カート・マクヴェイは弁護士事務所のパートナーの恋人としては意外な感じですが、ダイアンの冒険家的な要素がここに現れていると思います。
カリンダ・シャルマを演じているのは、アーチー・パンジャビというロンドン生まれのインド系イギリス人の女優さんです。
カリンダは何でもあっという間に調査してしまう能力を持つ事務所に不可欠なフリーの調査員なんですが、カリンダ(アーチー・パンジャビ)は第6シーズンで降板するので、ウィルもカリンダもいなくなってしまう『グッドワイフ』がちょっぴり心配です。でも、長く続くドラマは頻繁にキャストの入れ替えがある方がいいのかもしれません(例:LAW & ORDER, MI5)。
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【ゲスト】
『グッドワイフ』はゲストが充実しています。弁護士ルイス・ケニング。
マイケル・J・フォックス。遅発性ジスキネジアを患っている個人事務所の弁護士。病気を盾にして同情をひく戦法、ネチネチとした弁護が得意。アリシアを自分の事務所に誘っています。準レギュラーと言えるほど、頻繁に登場します。
カリンダの夫、ニック。マーク・ウォーレン、UKドラマで頻繁に目にする個性的な俳優。
『ステート・オブ・プレイ』 ~STATE OF PLAYのドミニク役はかなり気になる役柄でした。
カリンダの夫役にマーク・ウオーレンを選んでしまうなんて、プロデューサーのリドリー・スコットとトニー・スコット(もう亡くなられてしまいましたが)を尊敬します。個人的には、カリンダの夫はもっと年上で迫力のある人を予想していたのですが、おもしろい人を持ってきました。
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エルスベス・タシオニ。
妙な、おかしな、の形容詞で評される赤毛の女性弁護士。
いつもはち切れそうなカバンを抱え、見た目は切れ者に見えないのですが、事務所やウィル、ピーターの危機を何度も救っている恩人。とても人気者で、登場回数も多いキャラクター。
キャリー・プレストンが演じています。
✿この他にも、赤ん坊連れで現れて授乳タイムを要求して混乱させる弁護士、新人っぽさを売りにしているチアリーダー風のしたたかな弁護士、法廷経験ゼロの怪しい弁護士などがゾロゾロ出演していて、裁判官の共感を得て有利に審理を進めていきます。
✿『グッドワイフ』は家庭の事情が絡んでくるドラマなのですが、
「夫の浮気が世間的にばれる」⇒「妻として謝罪会見に同席しなければならない屈辱」
ということから始まっているにもかかわらず、あまりドロドロした空気を引きずらずに進んでいく大人のドラマです(しかし、この先は暗くなっていきそうですが)。
ここで反論したり、ムッとするのでは?と思われる場面でも、登場人物達は何も言わずに微笑んだり、無表情を保ってやりすごします(イーライは片眉を上げる)。
セリフで全てを語らずに、表情やアクションで読み取らせる点が秀逸です。
✿そして、最新の第4シーズンのエピソードも色々な切り口から描かれていましたが、第18話『依頼人の死』はアリシアに恋していた依頼人がアリシアに会いたいが為に数多くの訴訟を起こす・・・というストーリー。若くもなくハンサムでもない依頼人は、訴訟相手に殺されてしまったのですが、切なくてさらりと描かれている印象的なエピソードです。
✿アメリカでは現在シーズン6まで放送されています。
日本ではシーズン4までNHK BSで放映され、DVDが発売、レンタルされています。