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2015年4月26日日曜日

絶対に観たい映画 『パレードへようこそ』 へようこそ♪




現在公開中のイギリス映画『パレードへようこそ』


『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』が好みの方には、絶対にお薦めの映画です。

舞台はサッチャー政権下のイギリス、1984年。
サッチャー首相が発表した炭鉱閉鎖策に抗議するストライキが何か月も続き、炭鉱町は疲弊しきっていました。
ニュースでそのことを知ったマークは、募金を募って炭鉱労働者たちを少しでも援助したいと考えます。
ゲイのマークが立ち上げた会は、その名も〈LGSM ~炭鉱労働者支援、レズビアン&ゲイの会〉。
たった9人のみの参加でしたが、地道に寄付金を集めて炭鉱労働組合に送金しようと試みますが、ゲイに根深い偏見が存在していた80年代、ことごとく電話は途中で切られてしまいます
しかし、不屈の精神を持つマークが思い切って現地の炭鉱に直接電話をかけると、ウェールズの炭鉱町があっさりと受け入れてくれることに!
実は、彼らは〈LGSM〉が何の団体であるかもサッパリ?わかっていなかったのですが、代表でロンドンにやってきたダイは、なんの偏見も抱かずに感謝して寄付金を受け取ります。

メンバーが増えた〈LGSM〉は、多くの寄付金を集め、ウェールズからの感謝の招待を受けます。
迷いながらも、オンボロのミニバスに乗ってウェールズの田舎の炭鉱町に向かい、一部のゲイやレズビアンに対する無知からの偏見を持つ人々から厳しい視線に晒されつつ、オープンな態度で彼らと親睦を深めることに成功します。

資金集めのコンサートを開催し、炭鉱町を支え続ける〈LGSM〉でしたが、やはり偏見を持つ人々の反対が高まり、メディアに書きたてられ、支援を打ち切る決議がなされてしまうのでした・・・。





✿キャストが凄い!!!✿

この映画の凄いところは、「これでもか!」という盛りだくさんなキャスト陣。





ウェールズの炭鉱町の口下手なクリフ役、ビル・ナイ。
実は、クリフ自身も人には言えない秘密を抱えているという設定。
カッコよすぎるオジサマです。






自身もウェールズの炭鉱町の出身である、ロンドンの書店主のゲシンは、アンドリュー・スコット。
『シャーロック』のモリアーティ役はあまりにも有名です。






ウェールズの炭鉱町の実在の人物、ヘフィーナ役はイメルダ・スタウトン。
『ハリー・ポッター』に出演しています。
このヘフィーナとクリフの掛け合いが、とても印象的で面白い。
かなり、実物のヘフィーナさんに似ています♪






ゲシンの恋人、ジョナサン役はドミニク・ウエスト。
ドラマ『The Hour』のヘクター
ここでは長髪で、少し崩れた80年代風。
ダンスを一心不乱に踊るシーンがあります。






ロンドンにウェールズの炭鉱町代表としてやってきたダイ。
映画『Britz~ブリッツ』でゲイの巡査部長役だったパディ・コンシダイン。
味のある俳優さんです。






〈LGSM〉を立ち上げた、勇気のあるマーク。
アメリカ出身の俳優、ベン・シュネッツアー。
アダム・ランバートに似ている雰囲気です。






他にも大勢、際立った俳優さんが沢山出演しています。
その上、脚本が綿密で、どの場面も印象深い。

映画の上映館がが限られているのが、唯一の欠点ですが、DVDでも是非観てほしい作品です



ロンドンにやって来た、炭鉱町の夫人メンバーたち。
つい下ネタで大盛り上がり。
大好きな場面です♪





当時の実際の歓迎会の風景です。
思った以上に笑顔がはじけていて楽しそうで、ホッとします♡





渋い絵面です。クリフとダイ。




All PICTURES BY "パレードへようこそ" FACEBOOK.

ベン・ウイショー主演 『The Hour 裏切りのニュース』 は、ベンがCUTEすぎる♪





ひかりTVのサイトで視聴できる、ベン・ウイショー主演 『The Hour 裏切りのニュース』BBCのニュース番組制作チームのお話なので、もちろん制作はBBC。




【season 1】
1956年。BBCの新しいニュース番組の制作に携わることになったフレディ(ベン・ウィショー)
女性プロデューサーのベル(ロモーラ・ガウイ)とは、同僚であり、親友でもあるという関係です。

ニュースキャスターのヘクター(ドミニク・ウエスト)は、いかにも"ニュース番組のアンカー"といった顔のハンサムな男性ですが、テレビカメラを前にする慣れない仕事のために失敗が続き、『The Hour』の評価は低く、番組制作は難航します。

ある時、フレディは戦時中に疎開していた先のエルムス卿の娘ルースから、大学教授ピーター・ダレルの不審死の調査を頼まれて、新聞に掲載されたクロスワードパズルにその死の手がかりがあることを発見するのでした。

そんな時、ヘクターから週末の狩猟パーティに招待されたフレディとベルたちは、情報収集をかねて参加するしますが、このパーティをきっかけにベルとヘクターは不倫の関係へと発展し、ひょんなことからその事実を知ってしまったフレディは、大きなショックを受けてしまいます。

一方、MI6は『The Hour』とフレディの動向に監視の目を向けていて、フレディたちの番組制作にも口を挟んでくるのでした。

そして、スエズ危機の緊張が高まり、エジプトへの空爆が開始されます。
政府の指導に反対するかたちの番組の放送準備を整えるフレディは、ゲストスピーカーとしてエルムス卿を呼び、時間ギリギリまで現れない彼を待つことに賭けて、彼自身がインタビュアーとして真相を聞き出すことに成功します。

大役を終えたフレディは、BBCの関係者にソ連のスパイが潜んでいることを突き止め、番組を去ることになってしまいます



【season 2】
1年後の1957年、秋。
フレディが去ったのち、ベルはヘクターとの関係をスッパリ断ち切って、番組制作を支えることに苦労していました。そんな中、新しい上司が着任して番組は再開が発表され、フレディが再雇用されたことが皆に知らされます。

1年ぶりに皆の前に姿を現したフレディ。
アメリカやヨーロッパで仕事をしてきた彼は少々雰囲気も変わり、しかもフランス人のカミーユと電撃結婚していたのでした。

親友がなんの連絡もなくすでに結婚していたことに、ベルは激しく動揺します。

そして、ベルと別れたあとも他の女性たちと浮気を繰り返していたヘクターは、ソーホーのナイトクラブで騒動に巻き込まれて困難な事態に陥り、フレディとベルは彼を助けようと奔走することに。
また、ヘクターの妻はITVで料理番組をまかされ、ヘクターはその繋がりから、ITVのニュース番組のキャスターにならないかと誘われるのでした。

条件のいいITVの仕事を受けるヘクターでしたが、ナイトクラブでの不祥事がニュース記事になり、大きなスキャンダルへと発展してしまいます。

その一方で、ソーホーの犯罪を捜査していたフレディは犯罪組織と警察の汚職を発見し、痛めつけられながらも正義を追求し貫きます。

そして、カミーユはフレディのもとを去り、フレディとベルは親友以上であるお互いの気持ちに素直になるのでした。





何といっても、フレディ(ベン・ウィショー)がとっても可愛い!!!

特に、第1シーズンでヘクターに招かれた田舎の屋敷でベルの隣に寝そべったり、歯磨き粉をフレディに借りに行ったベルが、全く平気でフレディの入浴中のバスルームに堂々と入っていくシーン。
ベン・ウイショーの薄っぺらいボディが、遠慮なくさらされています。

実際のベン・ウイショーはゲイの方だそうですが、そんなことはどうでもいい感じです♡









こちらは、プロデューサーのベル役、ローラ・ガモイ。
クール・ビューティな感じではなく、温かみのある人柄が感じられる女優さんで、ベンの相手にピッタリかも。






ニュースキャスターのヘクター役の、ドミニク・ウエスト。
イギリス人には珍しく、アグレッシブな雰囲気の方。
最近では、映画『パレードへようこそ』でゲイのジョナサン(アンドリュー・スコットが演じる"ゲシンの恋人)として、素晴らしいダンシングを披露してくれています。





5月13日にDVD-BOXセットが発売です。



おまけ
『クラウド・アトラス』のスクリーニング。
ヒュー・グランド、ジェームズ・ダーシーとベンです♪

2015年4月8日水曜日

『輪廻の蛇』 ~All You Zombies 誰がこの作品を本当に理解できる?

  ~All You Zombies  お前たち、みなゾンビだ! 








30ページにも満たないロバート・ハインラインのSF短編です。
SFは時々チャレンジしていますが、さすがにハインラインは敷居が高い!
捻りに捻ったタイム・トラベル・パラドックスです。

物語は1970年のニューヨークのとあるバー(POP酒場)でバーテンダーである航時局員"Time Travel Corpsの一員" "私生児の母"という25歳の男と出会う場面から始まります。

⇒ここですでに「?」です。「なぜ、私生児の母が25歳の男なの?




物語を時系列で整理します。


【1945年 オハイオ州、クリーブランド】
孤児院の玄関に、缶詰の空き箱に入れられた女の赤ん坊が捨てられる。ジェーンと名付けられる。

【1963年 オハイオ州、クリーブランド
ジェーンは流れ者の男と出会い、関係を持つ。妊娠したが、男はジェーンを捨てて去ってしまう。

【1964年 オハイオ州、クリーブランド】
ジェーンは女の子を出産する。その際、医師はジェーンが半陰陽(inter-sex) であることに気づく。
「女性の性器は妊娠できる程度に成熟していたが、二度と役に立たなくなっていたので男性として発育するようにしたよ」と言い、ジェーンは男として生きることになる。
生まれた女の子は、4週間後に見知らぬ中年の男によってさらわれてしまう。

何度か手術を受けて完全に男として生きることになったジェーンは、自称"私生児の母"、告白小説を書いて生計をたてていく。

【1970年 ニューヨーク】
"私生児の母"である男、ジェーンはPOP酒場でバーテンダーと出会う。
自分を捨てた流れ者の男を恨んでいるジェーン。
バーテンダーは、その流れ者を見つけて「復讐させてやる」と約束し、その代償に「変化や冒険の多い、給料がよいかたい仕事」をやってみないかと誘う。
ジェーンは同意し、バーテンダーはジェーンの上に航時機(Time Machine)のネットを広げる。⇒(Time Travel Corps に入隊することになります)





一方、航時局員"Time Traveler" の動きです・・・。


【1963年 オハイオ州、クリーブランド】
"私生児の母"をタイムマシンで連れてくる。100ドル札を与えて、「流れ者を捕まえろ」と諭す。1963年にそのまま置き去りにする。

【1963年 オハイオ州、クリーブランド】
18才のジェーンとデートしていた"私生児の母"である男を連れ戻す。
この時点で、"私生児の母"は、「ジェーン」と「ジェーンを誘惑して捨てた流れ者」が自分自身=同一人物であることに気づく。

【1964年 オハイオ州、クリーブランド】
病院に侵入し、女の赤ん坊を連れ去り、孤児院に置き去りにする。

【1970年 ニューヨーク ⇒ 1985年 ロッキー山脈、地下司令部支所】
ジェーンを航時局 "Time travel Corps" に入隊させる。

【1993年 ロッキー山脈、地下司令部支所】
航時局員は、腹の帝王切開の傷跡をみるが、すでに毛むくじゃらになっていて探してみなければわからなくなっている。

⇒ここで、航時局員"Time Traveler"である男、ジェーンの赤ん坊を誘拐して孤児院に置き去りにした男=ジェーンであることが判明します。



★★★結論★★

ジェーンの母、父、航時局員"Time Traveler"も全てジェーン自身。
ジェーンの家系図は全てジェーンです。


★★★???★★

⑴ ジェーンはどこから来たのか?or 始まったのか?
  (ジェーンは、「わたしは自分がどこから来たのか知っている」といっていますが…)
⑵ 過去から来たジェーンと現在のジェーン(航時局員、バーテンダー)は同時期に共に存在できるのか?
  (タイム・トラベル・パラドックスとして、ごく平凡な疑問です…)


ハインラインは、考えうる限りのタイム・トラベル・パラドックスをこの短編に注ぎ込んでいるということです。


航時局員"Time Traveler"がはめている指輪、「己が尾を呑む蛇」は輪廻を象徴しています。




とても詳しくこのパラドックスをアニメーション化しているVideo








イーサン・ホーク主演で『輪廻の蛇』が映画化されています。
タイトルは『プリデスティネーション ~Predestination』(運命、宿命の意)。
映画は"爆弾魔、フィズル・ボマー"の事件も絡んでくるそうです。