実は日本はとても本屋の多い国じゃないでしょうか。
買い物にいくたびに本屋に立ち寄ってしまいます。徒歩圏内にいくつか本屋があるのが幸せです。
(アメリカで本屋を探すのは一苦労だったことを思い出します。でもAmazonがあるから大丈夫!)
ネット通販でも本は気軽に探せますが、確実にお薦めのシリーズ本でないときは、実際に本を手に取ってまずあらすじをチェックしたい。
次に中身を少し読んでみて、文章が読みやすいか否かを確認!
いくらあらすじが面白そうでも、まったく文章が頭に入ってこないこともあるのでこのお試しは必要です。
ここ何週間かで読み応えのある本にいくつか出会いました。その一つが、
『その女アレックス』 ピエール・ルメートル ~"ALEX" Pierre Lemaitre
フランスミステリー。なんと表現していいか、とにかく異色。
「近年で最も独創的な犯罪小説。誰も物語の行方を予想することはできない」
毎週幾冊もミステリーを買ったり借りたりして、読み飛ばしているのですが、これほど読者の予想を裏切るミステリーは初めてかもしれません。
若い美女が激しい暴力を振るわれ、誘拐され、身動きの取れない小さな木箱に閉じ込められて(箱は空中2mの高さに吊るされていて、巨大ネズミが周囲をウヨウヨ)、犯人からは憎しみの限りをぶつけられるのですが、じつは美女自身も誘拐されて当然の後ろ暗い部分を持っているという・・・。
何が正義、何が真実かがころころ変わります。
読者としては、正義の側に気持ちを寄り添えて読むのですが、その正義の側がどちらなのかが???二転三転していきます。
詳細を書いてはいけないと思いますが、訳者あとがきに、「自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思う」とあります。
全くその言葉の通りです。
すでにパリでの映画化も決まっているそうですが、私のなかで主人公のカミーユ警部〈身長145㎝〉はダニエル・ラドクリフ。
ドラマ 『A Young Doctor's Notebook』よりジョン・ハムと踊る?
Broadway Musical 『How To Succeed In Business Without Really Trying 』より
もちろん、ダニエル・ラドクリフは身長145㎝ではなく、165㎝はあるそうですし、カミーユ警部はもっと年配のはずですが(しかも髪が薄いらしいです)、有名な画家である母親の妊娠中の喫煙の結果、低身長の小男として生きる宿命を背負ったカミーユ警部。彼は前作で妊娠8か月の妻を誘拐され、殺害されて生きる目的を失くしているという背景、その惑った感じがダニエル・ラドクリフのイメージにぴったりで、↑体格的にも小さいかと・・・。
それに食いついたら決して離れなさそうな捜査官のダニエルの姿が簡単に目に浮かびます。
実際はフランスの俳優陣を使うのでしょうが、部下でハンサムな上流階級出身のルイは英国俳優のルパート・ペンリー・ジョーンズ Rupert Penry=Jonesのイメージ♡
ルイには、先祖から受け継がれた家族の遺産、階級の遺産を感じさせる育ちの良さがあります。
カミーユ警部は"ヴェネツィア総督の姿をした聖マルコ"をルイの顔で描いてみようかと思ったりしています。
(フランスにもイケメン俳優はたくさんいます。リュック・ベンソンのドラマ『No Limit』のヴァンサンは群を抜いています!ただ、ルパートが思い浮かぶのです・・・)
巨体ですが女性にモテモテのパリ警視庁犯罪捜査部部長、ル・グエンはジェラール・ドパルデュー。
ハムスターみたいに頬を膨らませるという場面があります。
そして節約に余念のない (3本分のタバコの吸い殻を一本のタバコにまとめる、新しくやってきた実習生にタバコ、ボールペン、小銭などをたかる、外食はおごりの時のみ、彼が新しいボールペンで新しいメモ用紙に書き留めている時は、事件の正念場を意味する) アルマンは、フランスの長寿ドラマ『女警部ジュリー・レスコー』に出演していたモタ役のアレクシス・デソーさんがピッタリ!
アルマンは至上の優しさでカミーユ警部を感激させるという一面もあり、モタのイメージも同じなのです。
✿全体的にはかなりダークな連続殺人を中心に進行するミステリーなので、コミカルな面は登場人物の描写だけなのですが(特にアルマンの行動)、陰惨な殺人が次々と出てくるなかでも勧善懲悪という救いがあり、最後にほろりとさせる物語です。
~フランス・ミステリーも"French Noir"と言えるのではないでしょうか?
『死のドレスを花婿に』『ニコラ・ル・フロック』 ~Nicolas Le Floch 他フランスミステリー ★
http://swaywynne.blogspot.jp/2014/12/nicolas-le-floch.html