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2015年4月26日日曜日

絶対に観たい映画 『パレードへようこそ』 へようこそ♪




現在公開中のイギリス映画『パレードへようこそ』


『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』が好みの方には、絶対にお薦めの映画です。

舞台はサッチャー政権下のイギリス、1984年。
サッチャー首相が発表した炭鉱閉鎖策に抗議するストライキが何か月も続き、炭鉱町は疲弊しきっていました。
ニュースでそのことを知ったマークは、募金を募って炭鉱労働者たちを少しでも援助したいと考えます。
ゲイのマークが立ち上げた会は、その名も〈LGSM ~炭鉱労働者支援、レズビアン&ゲイの会〉。
たった9人のみの参加でしたが、地道に寄付金を集めて炭鉱労働組合に送金しようと試みますが、ゲイに根深い偏見が存在していた80年代、ことごとく電話は途中で切られてしまいます
しかし、不屈の精神を持つマークが思い切って現地の炭鉱に直接電話をかけると、ウェールズの炭鉱町があっさりと受け入れてくれることに!
実は、彼らは〈LGSM〉が何の団体であるかもサッパリ?わかっていなかったのですが、代表でロンドンにやってきたダイは、なんの偏見も抱かずに感謝して寄付金を受け取ります。

メンバーが増えた〈LGSM〉は、多くの寄付金を集め、ウェールズからの感謝の招待を受けます。
迷いながらも、オンボロのミニバスに乗ってウェールズの田舎の炭鉱町に向かい、一部のゲイやレズビアンに対する無知からの偏見を持つ人々から厳しい視線に晒されつつ、オープンな態度で彼らと親睦を深めることに成功します。

資金集めのコンサートを開催し、炭鉱町を支え続ける〈LGSM〉でしたが、やはり偏見を持つ人々の反対が高まり、メディアに書きたてられ、支援を打ち切る決議がなされてしまうのでした・・・。





✿キャストが凄い!!!✿

この映画の凄いところは、「これでもか!」という盛りだくさんなキャスト陣。





ウェールズの炭鉱町の口下手なクリフ役、ビル・ナイ。
実は、クリフ自身も人には言えない秘密を抱えているという設定。
カッコよすぎるオジサマです。






自身もウェールズの炭鉱町の出身である、ロンドンの書店主のゲシンは、アンドリュー・スコット。
『シャーロック』のモリアーティ役はあまりにも有名です。






ウェールズの炭鉱町の実在の人物、ヘフィーナ役はイメルダ・スタウトン。
『ハリー・ポッター』に出演しています。
このヘフィーナとクリフの掛け合いが、とても印象的で面白い。
かなり、実物のヘフィーナさんに似ています♪






ゲシンの恋人、ジョナサン役はドミニク・ウエスト。
ドラマ『The Hour』のヘクター
ここでは長髪で、少し崩れた80年代風。
ダンスを一心不乱に踊るシーンがあります。






ロンドンにウェールズの炭鉱町代表としてやってきたダイ。
映画『Britz~ブリッツ』でゲイの巡査部長役だったパディ・コンシダイン。
味のある俳優さんです。






〈LGSM〉を立ち上げた、勇気のあるマーク。
アメリカ出身の俳優、ベン・シュネッツアー。
アダム・ランバートに似ている雰囲気です。






他にも大勢、際立った俳優さんが沢山出演しています。
その上、脚本が綿密で、どの場面も印象深い。

映画の上映館がが限られているのが、唯一の欠点ですが、DVDでも是非観てほしい作品です



ロンドンにやって来た、炭鉱町の夫人メンバーたち。
つい下ネタで大盛り上がり。
大好きな場面です♪





当時の実際の歓迎会の風景です。
思った以上に笑顔がはじけていて楽しそうで、ホッとします♡





渋い絵面です。クリフとダイ。




All PICTURES BY "パレードへようこそ" FACEBOOK.

ベン・ウイショー主演 『The Hour 裏切りのニュース』 は、ベンがCUTEすぎる♪





ひかりTVのサイトで視聴できる、ベン・ウイショー主演 『The Hour 裏切りのニュース』BBCのニュース番組制作チームのお話なので、もちろん制作はBBC。




【season 1】
1956年。BBCの新しいニュース番組の制作に携わることになったフレディ(ベン・ウィショー)
女性プロデューサーのベル(ロモーラ・ガウイ)とは、同僚であり、親友でもあるという関係です。

ニュースキャスターのヘクター(ドミニク・ウエスト)は、いかにも"ニュース番組のアンカー"といった顔のハンサムな男性ですが、テレビカメラを前にする慣れない仕事のために失敗が続き、『The Hour』の評価は低く、番組制作は難航します。

ある時、フレディは戦時中に疎開していた先のエルムス卿の娘ルースから、大学教授ピーター・ダレルの不審死の調査を頼まれて、新聞に掲載されたクロスワードパズルにその死の手がかりがあることを発見するのでした。

そんな時、ヘクターから週末の狩猟パーティに招待されたフレディとベルたちは、情報収集をかねて参加するしますが、このパーティをきっかけにベルとヘクターは不倫の関係へと発展し、ひょんなことからその事実を知ってしまったフレディは、大きなショックを受けてしまいます。

一方、MI6は『The Hour』とフレディの動向に監視の目を向けていて、フレディたちの番組制作にも口を挟んでくるのでした。

そして、スエズ危機の緊張が高まり、エジプトへの空爆が開始されます。
政府の指導に反対するかたちの番組の放送準備を整えるフレディは、ゲストスピーカーとしてエルムス卿を呼び、時間ギリギリまで現れない彼を待つことに賭けて、彼自身がインタビュアーとして真相を聞き出すことに成功します。

大役を終えたフレディは、BBCの関係者にソ連のスパイが潜んでいることを突き止め、番組を去ることになってしまいます



【season 2】
1年後の1957年、秋。
フレディが去ったのち、ベルはヘクターとの関係をスッパリ断ち切って、番組制作を支えることに苦労していました。そんな中、新しい上司が着任して番組は再開が発表され、フレディが再雇用されたことが皆に知らされます。

1年ぶりに皆の前に姿を現したフレディ。
アメリカやヨーロッパで仕事をしてきた彼は少々雰囲気も変わり、しかもフランス人のカミーユと電撃結婚していたのでした。

親友がなんの連絡もなくすでに結婚していたことに、ベルは激しく動揺します。

そして、ベルと別れたあとも他の女性たちと浮気を繰り返していたヘクターは、ソーホーのナイトクラブで騒動に巻き込まれて困難な事態に陥り、フレディとベルは彼を助けようと奔走することに。
また、ヘクターの妻はITVで料理番組をまかされ、ヘクターはその繋がりから、ITVのニュース番組のキャスターにならないかと誘われるのでした。

条件のいいITVの仕事を受けるヘクターでしたが、ナイトクラブでの不祥事がニュース記事になり、大きなスキャンダルへと発展してしまいます。

その一方で、ソーホーの犯罪を捜査していたフレディは犯罪組織と警察の汚職を発見し、痛めつけられながらも正義を追求し貫きます。

そして、カミーユはフレディのもとを去り、フレディとベルは親友以上であるお互いの気持ちに素直になるのでした。





何といっても、フレディ(ベン・ウィショー)がとっても可愛い!!!

特に、第1シーズンでヘクターに招かれた田舎の屋敷でベルの隣に寝そべったり、歯磨き粉をフレディに借りに行ったベルが、全く平気でフレディの入浴中のバスルームに堂々と入っていくシーン。
ベン・ウイショーの薄っぺらいボディが、遠慮なくさらされています。

実際のベン・ウイショーはゲイの方だそうですが、そんなことはどうでもいい感じです♡









こちらは、プロデューサーのベル役、ローラ・ガモイ。
クール・ビューティな感じではなく、温かみのある人柄が感じられる女優さんで、ベンの相手にピッタリかも。






ニュースキャスターのヘクター役の、ドミニク・ウエスト。
イギリス人には珍しく、アグレッシブな雰囲気の方。
最近では、映画『パレードへようこそ』でゲイのジョナサン(アンドリュー・スコットが演じる"ゲシンの恋人)として、素晴らしいダンシングを披露してくれています。





5月13日にDVD-BOXセットが発売です。



おまけ
『クラウド・アトラス』のスクリーニング。
ヒュー・グランド、ジェームズ・ダーシーとベンです♪

2015年4月8日水曜日

『輪廻の蛇』 ~All You Zombies 誰がこの作品を本当に理解できる?

  ~All You Zombies  お前たち、みなゾンビだ! 








30ページにも満たないロバート・ハインラインのSF短編です。
SFは時々チャレンジしていますが、さすがにハインラインは敷居が高い!
捻りに捻ったタイム・トラベル・パラドックスです。

物語は1970年のニューヨークのとあるバー(POP酒場)でバーテンダーである航時局員"Time Travel Corpsの一員" "私生児の母"という25歳の男と出会う場面から始まります。

⇒ここですでに「?」です。「なぜ、私生児の母が25歳の男なの?




物語を時系列で整理します。


【1945年 オハイオ州、クリーブランド】
孤児院の玄関に、缶詰の空き箱に入れられた女の赤ん坊が捨てられる。ジェーンと名付けられる。

【1963年 オハイオ州、クリーブランド
ジェーンは流れ者の男と出会い、関係を持つ。妊娠したが、男はジェーンを捨てて去ってしまう。

【1964年 オハイオ州、クリーブランド】
ジェーンは女の子を出産する。その際、医師はジェーンが半陰陽(inter-sex) であることに気づく。
「女性の性器は妊娠できる程度に成熟していたが、二度と役に立たなくなっていたので男性として発育するようにしたよ」と言い、ジェーンは男として生きることになる。
生まれた女の子は、4週間後に見知らぬ中年の男によってさらわれてしまう。

何度か手術を受けて完全に男として生きることになったジェーンは、自称"私生児の母"、告白小説を書いて生計をたてていく。

【1970年 ニューヨーク】
"私生児の母"である男、ジェーンはPOP酒場でバーテンダーと出会う。
自分を捨てた流れ者の男を恨んでいるジェーン。
バーテンダーは、その流れ者を見つけて「復讐させてやる」と約束し、その代償に「変化や冒険の多い、給料がよいかたい仕事」をやってみないかと誘う。
ジェーンは同意し、バーテンダーはジェーンの上に航時機(Time Machine)のネットを広げる。⇒(Time Travel Corps に入隊することになります)





一方、航時局員"Time Traveler" の動きです・・・。


【1963年 オハイオ州、クリーブランド】
"私生児の母"をタイムマシンで連れてくる。100ドル札を与えて、「流れ者を捕まえろ」と諭す。1963年にそのまま置き去りにする。

【1963年 オハイオ州、クリーブランド】
18才のジェーンとデートしていた"私生児の母"である男を連れ戻す。
この時点で、"私生児の母"は、「ジェーン」と「ジェーンを誘惑して捨てた流れ者」が自分自身=同一人物であることに気づく。

【1964年 オハイオ州、クリーブランド】
病院に侵入し、女の赤ん坊を連れ去り、孤児院に置き去りにする。

【1970年 ニューヨーク ⇒ 1985年 ロッキー山脈、地下司令部支所】
ジェーンを航時局 "Time travel Corps" に入隊させる。

【1993年 ロッキー山脈、地下司令部支所】
航時局員は、腹の帝王切開の傷跡をみるが、すでに毛むくじゃらになっていて探してみなければわからなくなっている。

⇒ここで、航時局員"Time Traveler"である男、ジェーンの赤ん坊を誘拐して孤児院に置き去りにした男=ジェーンであることが判明します。



★★★結論★★

ジェーンの母、父、航時局員"Time Traveler"も全てジェーン自身。
ジェーンの家系図は全てジェーンです。


★★★???★★

⑴ ジェーンはどこから来たのか?or 始まったのか?
  (ジェーンは、「わたしは自分がどこから来たのか知っている」といっていますが…)
⑵ 過去から来たジェーンと現在のジェーン(航時局員、バーテンダー)は同時期に共に存在できるのか?
  (タイム・トラベル・パラドックスとして、ごく平凡な疑問です…)


ハインラインは、考えうる限りのタイム・トラベル・パラドックスをこの短編に注ぎ込んでいるということです。


航時局員"Time Traveler"がはめている指輪、「己が尾を呑む蛇」は輪廻を象徴しています。




とても詳しくこのパラドックスをアニメーション化しているVideo








イーサン・ホーク主演で『輪廻の蛇』が映画化されています。
タイトルは『プリデスティネーション ~Predestination』(運命、宿命の意)。
映画は"爆弾魔、フィズル・ボマー"の事件も絡んでくるそうです。

2015年3月24日火曜日

映画『イミテーション・ゲーム』と『エニグマ』、ミステリー『針の眼』


ベネデイクト・カンバーバッチ主演の話題作、『イミテーション・ゲーム』 ~Imitation Game


Photo by 『イミテーション・ゲーム』 face book





ドイツの電気機械式暗号機、「エニグマ」の暗号を解読せよ!が主軸のストーリーではなく、あくまでも数学者アラン・チューリングの人となり、内面を描いている映画です。

アラン・チューリングはケンブリッジ大学の数学者で、ロンドン北部のブレッチリーパーク「政府暗号センター」(Government code and Cypher school)にて「bombe」と呼ばれる暗号解読機を制作、総当たり攻撃によりエニグマの暗号解読に成功します。

実際は、暗号解読には開戦前にポーランド軍の暗号解読機関から受け取った旧式のエニグマのレプリカや資料(解読方法も含む)をもとに仕組みを解析したそうですが、その辺には(詳しくなりすぎるためなのか?)触れられていません。

解読もチューリング博士だけでなく、他に多くの優秀な数学者たちが関わっていますが、そちらも省略(あくまでも主役はチューリング博士です)。


暗号解読の詳細を語る映画ではなく、人間、アラン・チューリングの描写が主軸となっており、もちろん社会性のない天才をやらせたらベネデイクト・カンバーバッチは抜きん出ているのですが、如何せん、(『シャーロック』のファンなので)社会性のない天才=シャーロックの役柄にどうしても結びつけてしまい、困ります。

シャーロックほどには傲慢な部分はないのですが、誰にも理解しがたい天才の鋭い部分を強調したらシャーロックになってしまう・・・。ので、やりにくいところもあったのではという印象を受けました。


そして、下記のような数々の特異なエピソードを持つアラン・チューリングの変人ぶりや優秀さをもっと強烈に表現してほしかった気がします。


チューリングは長距離走が得意だったらしく、会議に出席するために、ブレッチリーパークからロンドンまでの64kmの距離を走ったことがある。(⇒ランニングしているシーンは挿入されていたが、何かを忘れるためにがむしゃらに走っているように見えました)
花粉症のため、自転車に乗る際にはガスマスクを装着していた。(⇒当時のロンドンでは、防毒マスクをしゃれたバッグにいれて持ち歩いている女性たちがいたそうなので、マスクの所持はごく普通のことのようです)
マグカップの盗難を防ぐため、ラジエーターに鎖で繋いでいた。


ホモセクシャルであることは、彼の死に係わる重要な要素ですが、その辺りはパブリックスクール時代のエピソードで切なく描かれています。少年時代のアラン・チューリング役の演技は素晴らしく、ベネデイクト・カンバーバッチ以上に"アラン・チューリング"を感じました。



Photo by Karsten Sperling http://spiff.de/photo


世間の評価はかなり高く、映画評などでも☆☆☆☆☆が5個並んでいます。




そして2003年の映画 『エニグマ』 ~ENIGMA


もっとエニグマを楽しみたい方にお薦めなのが、ケイト・ウインスレット出演、マシュー・マクファディンが海軍の情報将校役で出演している『エニグマ』です。







恋人のクレアにふられて精神を病んだケンブリッジ大学の数学者トム・ジェリコがブレッチリーパークの仕事に復帰する。
しかし、クレアは謎の失踪をとげ、彼女の部屋から受信された暗号文を発見したジェリコは、彼女がドイツのスパイなのではないかと疑う。
クレアのルームメイトだったヘスター(ケイト・ウインスレット)の協力を得て、ジェリコはクレアの行方と彼女の真実の姿を探り出そうとする。

同時にジェリコは北大西洋上の味方の船団をUボートの攻撃から救うため、「シャーク」というエニグマ暗号機をより発展させた暗号機の暗号を解読する任務を与えられる。
気象暗号をもとに前回は解読したが、2日前にドイツは気象暗号を変更してしまっていたことから、ブレッチリーパーク内にドイツのスパイがいると推測された。
この暗号を解読するためには、船団の船が発見され、ドイツが無線でその位置や速度を通信し、その通信の暗号受信してをひとつずつ解読していくしかなく、連合軍側の船の犠牲を意味することでもあった。

一方、クレアが隠していた暗号をエニグマ機で解読すると、ポーランド人の名前が連なった名簿であることが判明し、映画の冒頭にソ連のカティンの森で発見された4000体の死体の山へと謎はつながっていく・・・。



暗号コードの謎、美しい女性の失踪の謎を織り交ぜたエンターテイメント性の高い、サスペンス映画です。ブレッチリーパークの雰囲気はこちらの映画の方がわかりやすいかも。

ケイト・ウインスレットはメガネ女子、マシュー・マクファディンは隻眼の情報将校でカッコいい!


2003年頃のマシュー・マクファディン




制作に係わったミック・ジャガーとケイト・ウインスレット







スパイ小説 『針の眼』 ~ EYE OF THE NEEDLE   ケン・フォレット著



『イミテーション・ゲーム』、『エニグマ』を観たら、更に第二次世界大戦当時の雰囲気を存分に味わえる、連合軍のノルマンディー上陸作戦に絡むスパイ・サスペンスもの、『針の眼』を思い出しました。










ケン・フォレットの出世作である『針の眼』はドナルド・サザーランド主演で映画にもなっています。
スリーパー・エージェントとしてイギリスに潜んでいたヒトラーの信望も厚いドイツのスパイであるヘンリーが、連合国軍のフランス、カレーへの上陸作戦が欺瞞であることを見破り、本国へ情報を届けるためにたどり着いた北海の孤島で、車椅子生活を送る夫と心が通わなくなっていたルーシーという魅力的な女性に出会い、運命が大きく変転してしまう・・・というストーリー。

スパイものは複雑に入り組んでいる作品が多いのですが、この『針の眼』は読みやすく、スパイものが好きならお薦めです!


ルーシーの若き夫、自動車事故で肢体不自由となったケンブリッジ大学出身の元英国空軍のパイロット、デービッドは睫毛が長くキレイな目もとをしており、男装の女性に見紛うばかり・・・とあるので、エディ・レッドメインEddie Redmayne をイメージしてしまいます。



エディ・レッドメイン 2014年12月  "女性に見紛うばかり・・・"

2015年3月8日日曜日

『Lewis』 オックスフォードミステリールイス警部 最新シーズン8

オックスフォードミステリールイス警部 最新シーズン8、『Lewis』がちょっぴり変化して登場しました!







『主任モース警部』のスピンオフとして始まった『ルイス警部』
『主任モース警部』はコリン・デクスター原作で、一筋縄ではいかないモース警部のお話は謎解きに色々な引用やパズル的な要素が多く盛り込まれ、少々敷居が高いのですが、『ルイス警部』はモース警部に敬意を表しつつ、オックスフォードもたっぷり詰め込んでエンターテイメント性をより高くしたドラマです。
イギリスでも人気が高く、2012年(シーズン7)に"これが最後のシーズンになるだろう"と発表されていたようですが、(シーズン7の最後のエピソードでは"引退するよ・・・"というルイス警部に対して"私も一緒に引退します"としょんぼりするハサウェイ巡査部長という感じで少々寂しい終わり方でした)、第9シーズンまでの制作が予定されているようなので、少なくともあと1シーズンは観ることができます。


第8シーズンでは、主役のはずの"ルイス警部"が引退後・・・趣味のカヌー作りに勤しんでいると、イノセント警視正から「人手不足のため捜査を手伝ってほしい」という連絡が入り、ルイス警部はカヌー作りをちゃっかり投げ出して現場に戻ります。
第7シーズンでは"私も引退します・・・"と悲しそうなハサウェイ巡査部長でしたが、無事にルイス警部のあとを引き継いで"ハサウェイ警部"に昇格。しかし、他人に捜査を任せきれず、肩に力が入りすぎているハサウェイ。そんなハサウェイのために、ガス抜きも兼ねてルイス警部が帰ってきたのでしょうか。

しかし、ハサウェイ警部はルイス警部を尊敬し、慕っているので彼のリターンが嬉しい反面、捜査をリードするのは自分であるという自負があるのでかなり複雑な心理状態となっているようです。
また、ルイス警部もついついリードをとってしまいそうになるので、自分を抑えるのが大変そうです・・・。

ルイス警部からにじみ出る"安定した人柄の良さ"が物語の基盤を明るいものにしていたのだと思いますが、今シーズンではハサウェイ警部に焦点が当たっているので、若干暗めの印象を受けます。




ルイス警部役のケヴィン・ウェイトリー




モース警部と若き日のルイス警部






第8シーズンで最も印象的 なのはエピソード3『善悪の彼岸』  Beyond Good and Evil。
13年前に起きた3人の警察官殺害事件で医療刑務所に収容されていた殺人犯のローリーが、DNAの科学捜査ミスや供述書の未提出により、控訴審が行われ、釈放されてしまいます。
同時に制服警官が13年前と同じ手口で殺害され、巡査部長のマドックスも襲われて意識不明になり、コピーキャットなのかあるいは真犯人は他にいるのではないかとの疑いが出てきます。
ローリーを逮捕したルイス警部は絶対の自信を持っていますが、対するハサウェイはニュートラルな視線で事件をとらえ、ローリーが無実である可能性も探ります。

これは以前に紹介したミステリー、ヨルン・リーエル・ホルスト作の『猟犬』と似ている設定ですが、過去の事件の裁判結果が覆され、あきらかに有罪と思われた犯人が釈放されることは、警察にとって最悪の悪夢。きっと、賠償金も要求されたり、自伝も出されたりするのでしょう・・・。

結局、釈放されたローリーは、けんもほろろに突き放した共犯者の女性に殺され、ローリーがやはり有罪であったことも証明されて、ルイス警部とハサウェイ警部の捜査は終了します。




ハサウェイ警部役のローレンス・フォックス




ローレンス・フォックスの奥さまはビリー・パイパー。『Doctor Who』のローズです。
結婚式にデイヴィッド・テナントが出席しています。









デヴィッド・テナントです。  ワインカラーの装い





にこやかな笑顔のルイス警部、ケヴィン・ウェイトリーも出席 ドラマの姿と変わらないのが嬉しい♡

2015年2月23日月曜日

『ジャーナリスト事件簿』 ~匿名の影~ ノルウェイ・サスペンス Norwegian Mystery Drama "MAMMON"


WOWOWで放送された海外ドラマ、ノルウェイ・サスペンス

『ジャーナリスト事件簿』 ~匿名の影~   "MAMMON"






原題は『MAMMON』
(悪、腐敗の根源としての)富、金、強欲、貪欲。
不正な富を表す言葉。


Sascha Schneider Der Mammon und sein Sklave.jpg
"Sascha Schneider Der Mammon und sein Sklave 金銭とその奴隷" by Sascha Schneider - Schmidt Kunstauktionen. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.




全6エピソードを熱心に観てしまいましたが、

①話が複雑で入り組んでいて全部理解できたか?否か?不安 
②ノルウェイ人を見慣れていないので、人物の見分けがつかないときもあり、???謎が増えた。

のですが、そんな中、主役の元経済部記者(現在はスポーツ部に所属)のペテル・ヴェロスのお顔は抜きんでて・・・ハンサムとはいえず、「この人が主役?」という疑問が最初のころは付きまとっていましたが、話が進むにつれて納得しました。
すごく見分けの付きやすいお顔なんです!
どんな中にいても、ペテルはペテル。わかりやすいです。



【人物紹介】
ペテル・ヴェロス(Peter)         ・・ノルウェイのアフテンアブセン新聞の元経済部記者
ダニエル・ヴェロス (Daniel)        ・・大手金融会社役員
エヴァ・ヴェロス(Eva)          ・・ダニエルの妻、会計士
アンドレアス・ヴェロス(Andreas)    ・・ダニエルの息子
トーレ・ヴェロス(Tore)                       ・・ダニエルとペテルの父、牧師
ヴィベケ(Vibeke)                                ・・犯罪捜査局の捜査官だったが、退職、広場恐怖症
オーゲ・ハウゼン(Age)                      ・・ダニエルの大学の同窓生、横領を暴かれる
ギスレー・エイエン(Gisle)                 ・・ダニエルの大学の同窓生、ペテロに警告を送る
ロアル・オストビー                    ・・ダニエルの大学の同窓生
トム・リード(Tom)                                  ・・億万長者
ヨン・ステーンスル(Stensrud)          ・・トム・リードの友人の裕福なビジネスマン
マティーセン (Mathiesen)                 ・・経済部のニュース・エディター、ペテルの友人であり上司
インゲル・マリエ(Inger Marie)         ・・経済部記者
経済犯罪局局長(Economic Crime Boss) ・・氏名不詳      



お話は原題『MAMMON』に象徴されるように、"不正な蓄財"、"強欲"にかられて罪を犯す人々にペテルたちが巻き込まれていくというストーリー。
ペテル・ヴェロスはノルウェイの新聞社、「アフテンアブセン」の経済部記者で、匿名の情報提供者から情報を受けとり、自らの兄である大手金融会社役員のダニエル・ヴェロスの2,300,000クローネの横領を暴いていた。
だがダニエルは「息子アンドレアスの面倒を頼む」とペテルに依頼し、ガレージでピストル自殺をしてしまう。
横領で刑務所に2年ほど入ることよりも、自殺を選んだ兄ダニエルにショックを受けるペテルだったが、さらなる調査の結果、ペテルの情報提供者の「ソフィア」とは兄自身であることがわかり大きな謎が残ることになる。
このときペテルは経済捜査局の捜査官ヴィベケと出会い、交際を始めるが3年で別れることに・・・。

5年後、経済部を離れていたペテルはオーゲ・ハウゼンの横領に関する暴露記事が準備されていることを知り、ハウゼンの身を案じる。
そんなときダニエルの弁護士からペテルとダニエルの妻であるエヴァ・ヴェロスあてにスーツケースが持ち込まれる。足ひれやシュノーケルなどのダイビング用品とともに、特定の時間に特定の場所に行くように指示があり、泳げもしないペテルが砕石場のため池(?)に潜って調査していると、なんとオーゲ・ハウゼンが車ごと飛び込んできた!
ペテルはため池に沈む車からオーゲ・ハウゼンを助け出したが、「アブラハム」と言い残してオーゲは二人の目の前でピストル自殺をはかり死んでしまう。

謎の言葉「アブラハム」
牧師である父トーレの教会にダニエルが寄付した『息子を犠牲にするアブラハム』の絵画とオーゲの最後の言葉から、2人の死は息子を犠牲にしない=息子を殺させないための自殺ではないかとペテルは推測する。

オーゲ・ハウゼンの記事を書くために経済部に戻ることを希望したペテルだったが、編集長に却下され、「解雇する」と言われてしまう。しかし、同僚のインゲル・マリエの得たオーゲ・ハウゼンの情報はオーゲに成りすました者から送信されていたことがわかり、さらに添付ファイルには「パパ」と叫ぶ小さな子供が火事に合い殺される場面の映像がUPされていた。

億万長者トム・リードの主催するチャリティ・パーティにエヴァと出席したペテルに匿名の電話がかかり、発信者を調べると、ギスレー・エイエンという男であることが判明したが、ギスレー・エイエンもペテルの目の前で列車に飛び込み自殺してしまい、ペテルは大きなショックを受ける。

経済犯罪局を退職していたヴィベケはペテルを助け、ダニエルの息子アンドレアスとともにダニエルの出身大学に捜査に向かう。自殺したダニエル、オーゲ、ギスレーたちは皆この経済大学の卒業生であり、なんらかの陰謀があることが判明するが、帰宅途中でアンドレアスが拉致され、ヴィベケはパニックに陥ってしまう。

一方、教会に寄付されたアブラハムの絵画の後ろに書き込まれたダニエルの言葉から、10月22日に子供とともに殺されたもう一人の犠牲者が浮かび上がってくる。
ロアル・オストビーという男性とその息子は、ウスタオセの山荘に滞在していた時に残酷に殺され、火事になった山荘はギスレーの会社名義で建て直されていた。
この山荘にアンドレアスが監禁されているのではないか?と推測し、ペテルとエヴァは雪深い現地に赴く。
だが、殺し屋たちに見つかり放火されて命からがら逃げ出すが、アンドレアスは見つからず、ロアル・オストビーと息子が殺された元の映像が発見され、ダニエルやオーゲ、ギスレーを含む大勢人間が陰謀に係わっていたことが確実となる。

ヴィベケのアパートに向かったペテルは、殺し屋たちの罠にかかり、ヴィベケを殺されてペテル自身が殺人者であるかのような証拠をねつ造され指名手配されてしまうが、上司であり友人であるマティーセンと億万長者のトム・リードの助けを借り、ベルケルの経済大学の教授からインサイダー情報を使った不正な蓄財を長年続けているグループの情報を得る。

殺し屋にひき逃げされたエヴァから情報を入れたメモリースティックを得たペテルは、トム・リードを信用して彼に手渡すのだが、メモリースティックは敵の手に渡ってしまいトム・リードも殺される。

殺し屋たちから追われ続けるペテルは、ヴィベケの犯罪捜査局時代の元上司の局長に助けられてトム・リードの仲間のビジネスマン、ヨン・ステーンスルのもとへ向かう。
信頼できると思われたヨン・ステーンスルだったが、彼も経済大学の同窓生であり、インサイダー取引で不正な取引をしていたグループの主要な人物であることがわかり、危機に陥る。

「ヴェロス家のものには苦しめられたよ」というステーンスル。
ステーンスルに銃撃されたペテルは、陰謀に係わったダニエルがロアル・オストビーとその息子が残酷に殺された結果、グループから足を洗うために横領を仕組んで自殺したことを聞かされる。ヴィベケを殺したのは「私の意思ではない」と語ったステーンスルが振り向いた瞬間、ペテルの携帯を追跡していた犯罪捜査局の局長が、ステーンスルの屋敷に乗り込んできてステーンスルに銃を向ける。
同時に現れた殺し屋たちも、トム・リードから奪ったメモリースティックを入手して確認した映像から、自分たちの依頼主(ステーンスルたち)が子供殺しであることを知り、あっさりとステーンスルの頭を打ち抜いて殺してしまう。
デンマークからやってきた殺し屋は、「彼はわたしが最も軽蔑を抱く、倫理に反した人間だ」「もう我慢ならん、リストだ。残り9人の名前が載っている」と、驚くペテロにリストを渡してアンドレアスの無事を告げ、「子供は殺さない、決して」「あの男(ステーンスル)も、もう手は出せない」とさっさと立ち去っていく。「こんなひどい国、早く離れましょう」と言いながら・・・。

90年代半ばからインサイダー取引を行っていたグループが無事に逮捕され、一見落着かと思われたが、その5か月後。

気候のよいカリブ海のグレナダ島で休暇を過ごしていた経済犯罪局の局長(ヴィベケの元上司)のもとに、ペドロとマティーセンが訪れる。
捜査を重ねた結果、消えてしまった大金を持っているのは彼女であり、ロアル・オストビーの内部告発をもみ消し、インサイダー取引を行っていたグループの仲間であることが解明したのだ。
そして、ペテロの恋人だったヴィベケが経済犯罪局での捜査で真相にせまるたびに、罠をしかけてヴィベケの不安をあおり、精神的に不安定な状況に追い込んだのも彼女であると告げて、ペテロの長い捜査は終了する。



とっても入り組んでいて複雑、かつ楽しめるミステリー・サスペンス。
レッドへリングとして、マティーセン(味方だが、時々怪しそうな電話をかけていた)、インゲル・マリエ(味方のはずだったが、ペテルの居場所を警察に密告、怪しい電話もかけていた)、トム・リード(すごく怪しそうな億万長者で黒幕に見える)らが使われていて惑わされます。



ここで重要なのは

✿ペテロの兄のダニエルが、牧師である父トーレから集中して虐待を受けていたこと。子供時代からの非常に残忍な虐待により、心が歪み、道徳心が失われていったことが母親がのこした日記から読み取れます。

✿「決して子供は傷付けない」は次々に標的である人々を殺していったデンマークからやって来た殺し屋の『倫理』であり、ダニエルやオーゲ・ハウゼン、ギスレー・エイエンらが自殺することを選んだ原因。何度もドラマの中で取り上げられている"アブラハム"が子供のイサクを犠牲にしようとした事柄と絡んでくる大事な要素です。


そして残る疑問が

"ダニエルとオーゲ・ハウゼンは自殺の場所、時間をあらかじめ計画してスーツケースのなかにヒントを仕組んだの?" 答えは出てこなかったと思います。

"なぜダニエルとペテルは全く容姿が似ていないの?ダニエルは父親似で、ペテルは母親似という設定?" 面白いほど似ていない兄弟です・・・。

"経済犯罪局の局長は、氏名不詳?" 名前が最後までわかりませんでしたよ~


でも、本当に面白くて複雑なドラマです。



"Norwegian Flag" Photo by Lemsipmatt https://www.flickr.com/photos/lemsipmatt/



2015年2月8日日曜日

限りなくストイック ! 『猟犬』 ~JAKTHUDENE ノルウェー・ミステリー 

北欧ノルウェー・ミステリー  『猟犬』  ヨルン・リーエル・ホルスト作 






翻訳ミステリー界で大流行している北欧ミステリー。
実は昔からマイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーの"マルティン・ベック" シリーズ、ヘニング・マンケルの"マルティン・ベック" シリーズなどが手堅く愛されてきました。最近では、スティーグ・ラーソン、ユッシ・エズラ・オールスンも大人気です。



"ガラスの鍵賞" を受賞している『猟犬』。
この賞を受賞している=「読み応えがあり、絶対におもしろい」のお墨付きを得ているといっても過言ではありません。


舞台はノルウェー、オスロから南西100kmほど離れた人口23,000人程度の小さな街ラルヴィク。
主人公のヴィリアム・ヴィスティング警部は警察に勤務して31年のヴェテランであり、落ち着いた堅実な生活を送っています。
ある日、17年前にヴィスティングが捜査の指揮をとり解決した「セシリア」事件でDNA鑑定の偽造があったという告発が起こされます。
当時の捜査責任者として、最も疑わしい人物とみなされたヴィスティングは副署長のヴェッティから即時停職処分を勧告され、警察官の身分を停止されることになってしまいます。

一方、もう一人の主人公といえるタブロイド新聞の事件記者であるヴィスティングの娘のリーネは、逆境に陥った父のことを心配しながら、オスロ湾を挟んで対岸に位置する土地で起きた殺人事件を取材していました。

リーネの本音は自分が追っている殺人事件が大きな扱いになれば、父の責任を追求する記事を新聞の第一面から締め出せるかもしれない・・・というものでしたが、取材の過程で被害者の飼い犬のマイクロチップから自宅の住所を探り出して被害者宅を訪れた際に家宅侵入犯に遭遇してしまい、自身も事件に巻き込まれていきます。

そして当初はまったく異なるふたつの事件と思われていたものが次第に絡み合い、大きなひとつの事件となっていきます。

17年前の「セシリア」事件でDNAの証拠偽造はあったのか?
偽造があったとしたら、その犯人は誰なのか?姪が18年前に行方不明になった元警官のロベック?同僚のハンメル警部
「セシリア」事件で有罪となったハーグルンは無罪なのか?偽造された証拠の有無に関係なく有罪か?
リーネが追いかけている殺人事件の被害者は「セシリア」事件の真犯人なのか?

が焦点となっていきます。




ヴィスティング警部は取材されて鋭い追求を受ける側、娘のリーネは追求する側です
Crackdown Kjelsas Photo by Casper Kongstein  https://www.flickr.com/photos/kongstein/





「静」の人ヴィスティング警部は、持ち帰った捜査資料を丁寧に読み返しながら (特に昔の関係者や被害者家族に接することもなく)、何かおかしな点を資料からじっくりと探っていきます。
ときには隣家の少年のサッカーボールを拝借してちょっとしたトリックを使って (身分停止中なので、本来なら入ることが許されない)警察署に忍び込み、「セシリア」事件に関連した過去の事件の捜査ファイルを持ち出したりするのですが、このシーンの描写が非常に詳細です。
「どうやって取材しているんだろう?」と疑問に思っていたのですが、実は作者のヨルン・リーエル・ホルスト自身が2013年まで現役の警察官だったということで、納得しました。

そしてリーネ達 "タブロイド新聞" 記者が事件の証拠や情報をつかむテクニックも非常に面白く、警察の記者会見でテーブルに置かれていた警察の発表資料を望遠レンズで撮影して詳細な情報をゲットしたり、監視カメラのデジタルの映像を写真に撮ってちゃっかり持ち帰ったりします。
また、「これから法を犯すであろう」犯人を徹底的に尾行するリーネ達のテクニックもプロフェッショナルでとってもシステマティック!
これらも現役の警察官の実体験から書かれているのでしょう。



冤罪もの(ヴィスティング警部に対する)のミステリーですが、ヴィスティング警部の静かで落ち着いた心の動きとリーネの存在感や活躍が素晴らしく、「何で自分がこんな目に・・・」なんていう鬱々した部分は少なく、ヴィスティング警部とリーネともども私生活での波乱もありますが、最小限度に抑えられており、ミステリー自体を楽しむことができる作品です。


とにかく「限りなくストイック」で「プロフェッショナル」なヴィスティング警部とリーネです。




Norwegian Police
Crackdown Kjelsas Photo by  Casper Kongstein https://www.flickr.com/photos/kongstein/



Alesund  オーレスンの街 人口45000人 ラルヴィクはもっと小さい街です       
Alesund Photo by Florian Seiffert  https://www.flickr.com/photos/seiffert/