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2014年11月29日土曜日

ジョン・シム主演 『PREY』  ~逃亡者 デッドエンド







2014年4月にイギリスITVで放送されたドラマ『PREY』、日本語のタイトルは『逃亡者 デッドエンド』。WOWOWで放送されました。



タイトルから簡単に想像できる通り、冤罪もののミステリードラマ。実は一番苦手なジャンルで、真正面から見ることが出来ません。(せっかくジョン・シムが主演しているのですが・・・!)

『逃亡者』といえば、ハリソン・フォードの映画が有名ですが、最後はちゃんと冤罪を晴らせることはわかっているものの、ホントに心臓に悪いです。内心、「これはフィクションだから」と言い聞かせながら見ることになります。




マンチェスター、ロングサイト警察の刑事マーカス・ファローは妻子と別居中。
トルコに帰国したと考えられていたトルコ人犯罪組織のボスのハッサンの遺体がみつかり、捜査が始まります。しかし捜査資料は2枚の古いフロッピーディスクのみ。
別居中の妻と口論し、フロッピーディスクを妻のもとに忘れてしまったマーカスは、ディスクが奪われ、妻と息子の一人のマックスが殺されているのを発見します。
狼狽したあまり凶器のナイフに触れて指紋を残し、容疑者となってしまったマーカスは護送車の事故に乗じて逃亡します。(ハリソン・フォードの『逃亡者』を思い出します。オマージュ?)









フロッピーディスクが妻の家にあることを知っているのは、仲の良い同僚のショーン・デブリンだけ。このことからショーンが事件に関係しているとわかり、ショーンを問い詰めて何とか1枚のフロッピーディスクを取り返します。
逃亡しながら、ハッサンの妻を訪ねて「ハッサンは生きている」という妻の証言をからハッサンを見つけようとするマーカスですが、このハッサンは身分を買って"ハッサンとして生きている"別人でした。


前夫を忘れられずにストーカーになりつつあるという問題を抱える巡査部長のスーザン・ラインハルトは、マーカス逃亡の捜査責任者になり、「何かおかしい」という違和感を感じながらもマーカスを追いつめていきます。
追い詰められながらも、信頼する上司の警部アンドレア・マッケンジーに連絡し、大切な証拠品のフロッピーディスクを渡して真犯人のアレックス・チェンバースを見つけだすように頼みましたが、マッケンジーは協力するふりを見せながら、フロッピーをフライ用の油に入れてあっさりと破壊してしまいます。



ラインハルトから必死に逃げるマーカス




マッケンジー警部もマーカスの敵であることがわかり、絶体絶命に陥るマーカス。
一方、ラインハルト巡査部長はマッケンジー警部にマーカスから託されたディスクの行方を尋ねるのですが、マッケンジー警部は「受け取っていない」と否定。精神的に不安定なラインハルト巡査部長ですが、捜査勘があり、事件の真犯人はマーカスではないのではないかと考えます。

同僚のショーンの家に乗り込み、弱っている彼を厳しく追求したマーカスは「今度の件はマッケンジー警部をかばうためだった」、「マッケンジー警部は、アレックス・チェンバースに脅されている」という証言を得ます。
バイヤーになりすまして潜入捜査をしていたマッケンジー警部は、ハッサンに見破られて袋叩きにされ、不起訴処分になったハッサンを殺してしまったのです。それを目撃していたチェンバースとロマックスはハッサンの死体を処分し、マッケンジー警部を脅してハッサンの密売を引き継いだことに目をつぶらせてきました。










ショーンはマッケンジー警部に「本部長に事件の詳細を話す」ように詰め寄るのですが、マッケンジー警部にうまく言いくるめられて口をつぐんでしまいます。
ロマックスを殺してマーカスに罪を着せようとたくらんだマッケンジー警部と、妻子を殺したデールから真犯人はマーカスであると証言されてしまうマーカス。
ラインハルト巡査部長も「事件が拡大した」ことで、副本部長から捜査責任者を外されます。

妻子殺しとロマックス殺しで緊急手配されたマーカスは、ついにマッケンジー警部と対決し、"アレックス・チェンバース"は"アレクサンドラ・チェンバース"であり、マッケンジー警部が作り上げた架空の人物、そしてマッケンジー警部がハッサンから暴行を受けた日に駆けつける予定だったショーンは、マーカスの妻と会っていたことを知らされます。
「殺された息子のマックスは、ショーンの子供よ」と告げるマッケンジー警部の言葉を必死で否定するショーン。
そんなショーンをマーカスの銃で残酷に撃ち殺したマッケンジー警部は、ショーン殺害の罪もマーカスに着せようとするのですが、隠れていたラインハルト巡査部長が話を全て聞いており、同時にスマートフォンで署の全員も聞いていたと言われ(便利ですね!)、銃で自殺を試みて、マーカスに阻止されます。


妻と息子のマックス、ショーンも殺されてしまったマーカスは、やっと冤罪を晴らして残された息子のフィンのもとに向かうことができます。

ラインハルト巡査部長も、大きな事件を解決すると同時に、前夫への未練を断ち切ることが出来た自分に気が付きます。(素敵な男性と巡りあってほしいです☆)




とにかく、見るのが辛い冤罪ものでした。冤罪は晴れましたが、Happy Endとは言えないですね・・・。
でも、イギリスのドラマは等身大の登場人物が出てきて、(美女でもハンサムでもなく、タバコを吸ってしまう、太りやすい食べ物に手をつい出している、離婚したばかりもしくは別れたばかり、アルコールが止められない、お金に困っている、定年間際、鬱などなど)それでも仕事にはしっかり集中!という、地味でも魅力的なキャラクターが多いのが特長です。





ジョン・シムのTVシリーズでお薦めは『State Of Play』 ~日本でのタイトルは『ステート・オブ・プレイ 陰謀の構図』



リメイクされて映画にもなっていますが、BBCのドラマの方が好きです。
主演はジョン・シム
編集長にビル・ナイリー(素敵)
編集長のキュートな息子はジェ-ムス・マカヴォイ("ナルニア"のタムナス。最近はかなり顔が変わってます)
そしてセクシーなインド系の弁護士、あっさり殺されてしまう靴紐がいつも解けている刑事、証人と寝て彼がゲイであることを知る下っ端の記者・・・など、多種多様なキャラクターが出演しています。
そして、エンディングのどんでん返しは予測不可能かもしれません。



何故かジェームズ・マカヴォイの写真の方が大きいのですが、主演はジョン・シム☆彡
Stateofplay.jpg
"Stateofplay" by http://georgekelley.org/?p=806. Licensed under Fair use via Wikipedia.


"Prey" Photos by Prey Facebook 

南アフリカの現実を主題にしたミステリ  『デビルズ・ピーク』 ~DEVIL'S PEAK




『デビルズ・ピーク』は南アフリカの社会派ミステリー作家、デオン・マイヤー(Deon Meyer) の迫力あるミステリー。








南アフリカ。
日本からは地理的にも文化的にも遠すぎるためか、あまり情報は入ってきません。頭に浮かぶには、ネルソン・マンデラ大統領と広大な自然、過去のアパルトヘイト政策、近年ではレイプ事件の件数が非常に増加していること。ネガティブな情報も多く、どんな社会なのか想像するのは難しいです。





South Africa - Location Map (2013) - ZAF - UNOCHA.svg
"South Africa - Location Map (2013) - ZAF - UNOCHA" by UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA) - South Africa Locator Map (ReliefWeb). Licensed under CC BY 3.0 via Wikimedia Commons.





今回のお話は、

"ベニー・グリーセル" アルコール依存症の刑事
アルコール依存症の南アフリカ警察(SAPS)の警部補グリーセルは、依存を治すまで6か月の猶予を妻から与えられ、家から叩き出されたばかり。妻に他の男性の影があると疑い、ティーンエージャーの子供達に会えずに寂しい思いをしている辛い立場にいます。
黒髪でスラブ系の顔立ち、フルシチョフの若かりし頃に似ていると主任検視医のパーゲル教授は言っています。


"トベラ・ムバイフェリ" 継子をガソリンスタンド強盗に殺されたKGBのために働いた過去のあるコーサ族の男
過去の経歴(高度な訓練を受けた軍人)を問題にされ、義理の息子の殺人事件で悔しい思いをします。脱走した犯人を追う一方、赤ん坊をレイプした男など児童虐待者への制裁に乗り出します。


"クリスティーン・ファン・ロイヤン" 3歳の娘がいる娼婦
胸の大きなブロンドの美女。
教会の牧師に子供時代からの身の上話を語り、中身の詰まった段ボール箱を持ち込みます。牧師は真実が語られているのか疑いながらも、親身にクリスティーンの話を聞きます。





この3人を柱にした物語がそれぞれ独立して語られていき、最後に大きく交差し、予想外の結末を迎えることになります。





依存症と格闘しながら、正当な裁きを受けない児童虐待者を死刑執行人のように次々と殺していく殺人事件の特別捜査隊の隊長となったグリーセル
唯一の手掛かりは、現在ではめったに使用されない武器"アセガイ"という150㎝ほどの接近戦で使用される槍でした。
犯人の人種さえ白人かカラードか黒人かも不明なままで、捜査は困難を極めます。
そんな中、カルロスというコロンビアの麻薬カルテルの男に3歳の娘をさらわれたという娼婦のクリスティーンが現れます。
幼児を誘拐したカルロスは、児童虐待者にピッタリと当てはまり、彼を餌にして犯人をおびき寄せる計画が立てられます。しかしカルロスは無残にも殺されてしまい、犯人を取り逃がしてしまったものの、逃走車両の拭き残された指紋からトベラが第一容疑者として浮かび上がってきます。

やっと捜査が進展しようとしていたその時、死神の異名を持ち、切り裂かれた喉から舌を引っ張り出す手口で有名な(←HANNIBALで使われたコロンビアン・ネクタイという殺し方)カルロスの兄ハビエルが復讐のため、グリーセルの娘カーラを誘拐してしまいます。

カーラを返して欲しければ、3日間でトベラを見つけ出して連れてこいとハビエルに脅されたグリーセルは無我夢中でトベラを拉致し、ハビエルとカーラのもとへと向かうのです。






1916年 若き日のフルシチョフ  
グリーセルはこんな感じのスラブ系男性  
1916. Khrushhev-s-zhenojj-efrosinejj.jpg
"1916. Khrushhev-s-zhenojj-efrosinejj" by Unknown - http://foto-history.livejournal.com/1686834.html http://www.moskva-put.net/attraction/kremlin/generalnye-sekretari-ck-kpss-v/nikita-sergeevich-hruschev/. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.





3人の物語はテンポよく操られ、最後の100ページからは猛ダッシュでお話が進んでいきます。
グリーセルの娘カーラにはとても辛い経験となるのですが、密告屋なのではと疑われている部下のケイターの意外なアルバイト、死んでしまったとされるトべラの行方、カルロスが誘拐したというクリスティーンの娘のことなど、十分に納得できるエンディングは特に面白くて何度も読み返してしまいました。


社会派ミステリーとされているのは、子供への虐待を取り上げているからでしょう。
この作品で起きた"赤ん坊へのレイプ事件"は、実際に頻繁に南アフリカで起きている問題です。
"赤ん坊と交わるとエイズが治る"という迷信のような思い込みから発する事件だそうです。(赤ん坊は生命力が高いためといわれています)。






お話の中で何度かシャーリーズ・セロンの名前が出てきます。
シャーリーズ・セロンは南アフリカ出身で、身長177㎝のブロンドの美女。
母語はアフリカーンス語。
作者のデオン・マイヤーは、クリスティーンのモデルとしてシャーリーズ・セロンをイメージしていたのだと思います。







トベラの出身であるコーサ(Xhosas)族の有名人は、ネルソン・マンデラ大統領。
1944年の結婚式での若きマンデラ大統領の顔はりりしくて、キリリとした感じです。
Mandela e Evelyn 1944.jpg
"Mandela e Evelyn 1944" by The original uploader was André Koehne at Portuguese Wikipedia - Transferred from pt.wikipedia to Commons by Truu.. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.






ズールー族 アサガイと思われる槍を持っています
日本なら日本刀を凶器として使用する感じでしょうか。
Zulu warrior.jpg
"Zulu warrior" by Patton, Cornelius H. (Cornelius Howard), 1860-1939 - New York Public Library [1], from The lure of Africa. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.



ケープタウン
Cape Town   Photo by Damlen du Tolt https://www.flickr.com/photos/coda/




テーブルマウンテンのペンギン
CAPE TOWN : Boulders Beach5
Penguin's beach at the Table Mountain National Park
Photo by Crystian Crug https://www.flickr.com/photos/crystiancruz/

2014年11月27日木曜日

歴史ミステリー 『支配者』 ~SOVEREIGN チューダー王朝弁護士シャードレイク



新刊が出たとたん、内容も確認せずにすぐに買ってしまうシリーズがあります。

❝チューダー王朝弁護士シャードレイク❞ C.J. サンソム(Sansom)作のシリーズもそのひとつ。

Ⅰ チューダー王朝弁護士シャードレイク
Ⅱ 暗き炎   ~DARK FIRE
Ⅲ 支配者 ~SOVEREIGN

の3作が出ていて、今回は新刊の『支配者』を中心に語りたいと思います。


時代は1540年前後、イギリス(イングランド)を舞台にした歴史ミステリー。
薔薇戦争で疲弊したイギリスに成立したチューダー王朝のもと、農家の息子のマシュー・シャードレイクが主人公です。
シャードレイクは、ヘンリー8世の摂政かつ宗務長官であるトマス・クロムウェル(エセックス伯)の思想に賛同し、クロムウェルの庇護のもとリンカーン法曹院で働く弁護士ですが、脊柱後湾症という障碍を背負っています。
弁護士仲間や見知らぬ人々からも『亀背の御仁』だとからかわれることには慣れていますが、そのたびに心を痛めるナイーブなシャードレイク。鬱屈したものを秘めた、生真面目で芯の通った性格です。



1作目の『チューダー王朝弁護士シャードレイク』ではスカーンシアの修道院で起きた殺人事件の真相究明、2作目『暗き炎』では幻のギリシャ火薬を追え!と、クロムウェル↓から無理難題を押し付けられて、シャードレイクは困難な調査に乗り出します
当時のイギリスは陰謀と策略が渦巻く、諸行無常の世界。
(日本では室町時代の後期、戦国時代で、織田信長、豊臣秀吉が生まれています。)



トマス・クロムウェル (ホルバイン画)
宗教改革を断行、修道院を次々に解体。国中に行き場を失った元修道士や元修道女が溢れました。
ヘンリー8世とアン・ブーリン、アン・オブ・クレーブスとの結婚を推し進めた人。
Cromwell,Thomas(1EEssex)01.jpg
"Cromwell,Thomas(1EEssex)01" by Hans Holbein the Younger - The Frick Collection. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.





残念ながら、ホルバイン画の"レディ・アン"の肖像画に魅せられて彼女と結婚を決めたヘンリー8世は、実際のアンの"体臭のきつさ、英語を解さない"ことを嫌悪、クロムウェルの政敵であるノーフォーク公の姪である17歳のキャサリンに心を移し、クロムウェルは失脚、反逆罪で捕えられ、ギリシャ火薬についてのシャードレイクの調査が実を結んだにもかかわらず、『暗き炎』の最後で処刑されます。




第3作の『支配者』では、クロムウェル亡き後、政治的な人脈からは距離を置いていたシャードレイクのもとに、カンタベリー大主教のトマス・クランマー(元はケンブリッジ大学の教授)から声がかかり、ヘンリー8世の巡幸に伴う弁護士業務と、北部で捕われた謀反人のブロデリックを連行せよと命じられます。
助手のバラク(クロムウェルの臣下だったが、クロムウェル失脚後にシャードレイクの助手となった野性的な魅力ある男)とともにヨークに赴いたシャードレイクは、殺されたガラス職人の死に際の「国王は正当な王位継承者ではない」という言葉をきっかけに教皇派によって隠されていた重要書類を発見します。
しかし、何者かに襲われて書類は略奪されてしまいます。
国王のヘンリー8世に拝謁した際に、皆の面前で背中のことを嘲られ、国王への尊敬を失ってしまったシャードレイク。周囲のからかいや噂を思い、苦悩します。その上、バラクの女友達となった王妃キャサリンのもとで働くタマシンをきっかけに王妃キャサリンと密談しなければならなくなり、キャサリンの不貞に絡んでいるとされ、罠にかけられて密告され、ロンドン塔で拷問を受けることになってしまいます。





1542年のヘンリー8世  物語の頃です
Hans Holbein d. J. 048.jpg
"Hans Holbein d. J. 048" by After Hans Holbein the Younger - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH.. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.





生きたままロンドンに連れて帰るはずだった謀反人ブロデリックは、復路の船上で何者かの助けを得て自殺してしまい、自分自身もロンドン塔に収監されて絶望するシャードレイクでしたが、バラクの必死の働きにより、大主教クランマーに事の詳細を報告することができて無事ロンドン塔から釈放されます。(拷問により、歯を1本失ったのですが・・・)




ロンドン塔 1547年(ヘンリー8世が亡くなった年)からは王族の住居として使用される。
エリザベス1世も滞在しました。
TheTower of London
Photo by Manolo Blanco https://www.flickr.com/photos/manoloblanco/



























ロンドン塔での過酷な試練を乗り越えたシャードレイクは、教皇派が隠し持っていた書類の略奪をしてブロデリックの自殺の幇助をした人物は、ヨークで知り合いになった老弁護士のレンヌであることをつきとめます。
レンヌを父親のように思い、信頼して慕っていたシャードレイクはショックに打ちひしがれて悲しみます。そんな彼にレンヌは教皇派に寝返らないかと熱心に誘うのですが、「国王は正規の国王ではない」との証拠の文書を世間に公開し、国王打倒を目的とするレンヌたち教皇派の誘いをシャードレイクはキッパリと断ります。
ヘンリー8世に嘲られて国王への尊敬を失っていたシャードレイクでしたが、イングランドを再び混乱させ、火と血の海に沈めることはならないと確信していたのです。



王妃キャサリンは姦通罪と反逆罪で告発され、処刑され、キャサリンの伯父であるノーフォーク公も失脚します。(ノーフォーク公はクロムウェル、シャードレイクと対立していました)。





2人の姪(アン・ブーリン、キャサリン・ハワード)を王妃に据えたノーフォーク公。
ホルバイン画
Thomas Howard, third Duke of Norfolk by Hans Holbein the Younger.jpg
"Thomas Howard, third Duke of Norfolk by Hans Holbein the Younger" by ハンス・ホルバイン - Royal Collection. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.






シャードレイクは鬱屈したものを抱えた複雑な人物。
周囲の反応や噂話などを気にする一方(かなり鬱々と考え込むタイプ)、国王に嘲られても私怨をはらして「国王打倒」なんて考えず、もっと高い視点から世の中を見ることのできる複雑な人なので、コリン・ファースがイメージされます。何か内側に抱え込んでいる風な様子が、コリンの風貌と一致します。
顔立ちは、『暗き炎』でレディ・オナーからも「あなたの顔立ちはどんな貴族にも劣らず立派よ」と言われているので、気品の感じられる顔ではないかと思っています。(しかし、レディ・オナーには「あなたの階級に身を落とせないの」とキッパリ振られます。女性には縁がありません)。



Corin Firth








クロムウェルの元臣下である助手のバラクは、下層階級出身ながらも修道院の付属学校でラテン語などを学んだ、女性にもてまくる野性的で胸の広い人。
貴族的な容貌ですが、美しさと複雑さを基準にすると若き日のルパート・エヴェレットが浮かびます。『アナザー・カントリー』や『St. Trinian's  セント・トリニアンズ女学院』(←では、女校長の役)などでコリン・ファースと共演しているので相性もいいはず。
バラクは女性の側から積極的に声をかけられるタイプ。残念ながら、現実のルパート・エヴェレットはゲイですが。



Rupert Everett   1998年







冷酷な仕打ちを受けても、信条を決して変えないシャードレイク。
お話の内容もさることながら、作者の卓越した表現力で16世紀のイギリスを身近に感じさせて、活き活きと当時の生活が描かれています。この時代から弁護士という職業が成り立っていて、(現実には偽証などの問題もあったようですが)、農民や下層階級の生まれでも学問を身に着けるシステムが活かされていたのも初めて知りました。



ケン・フォレットの『大聖堂』と同様の歴史を肌で感じられる小説です。
イギリスでは6作目まで出版されていますので、日本でも続編を早く出してもらえれば・・・と願っています。


☆☆☆
ヘンリー8世といえば、『The Tudors』 ~背徳の王冠~ が人気ですが、あくまでも"ヘンリー8世"はホルバイン画の"ヘンリー8世"をイメージしたいと思います。(ホルバインは、写実的な画家だそうです。あの時代の著名人は、皆ホルバインによって忠実に描かれているようです)。




セクシーなヘンリー8世は反則です
Photo by The Tudors Facebook

2014年11月22日土曜日

『MI5 英国機密情報部  Spooks』  英国DRAMAの薦め 



日本で観ることのできるドラマといえば、たいていはアメリカかイギリスのドラマです。
たまにイタリアやフランス、ドイツやオーストリアのドラマも放映されて新しい発見があったりするのですが、今回は2011年に放映終了となった『Spooks』、日本でのタイトルは『MI5 英国機密情報部』を取り上げたいと思います。




Spooks003.JPG
"Spooks003". Via Wikipedia.



『Spooks -MI5』の作者はDavid Wolstencroftという、ハワイ生まれでエディンバラで育ったという方です。知人の英国人がDavidに会ったことがあるそうなのですが、複雑なドラマを作るだけあって、『とても頭がいい人』だそうです。

このドラマはとにかくテンポがよく、毎回違う切り口で話が展開していきます。
長く続くドラマはワンパターンになりがちな時もありますが、UKのドラマ(ミステリー)はワンパターンな展開に陥ることがなくて、客観的に描かれており、とても見応えがあります。もちろん、ワンパターンな展開にホッとするドラマもあるのですが・・・(『NCIS』などは、途中で何回か見逃してもOK! な感じです)。

メインの登場人物も、サブの登場人物も、遠慮なくドンドン入れ替わっていきます。新しいキャラクターが出てきたら要注意!誰かか消えてしまう合図です。

しかし、引退したり、死んでしまったりするのは必ずしも派手な事件のあとでなく、大きな出来事のあとの通常の(?)爆弾テロに巻き込まれたり、良心に目覚めて嘘をつけなくなって引退するのが面白いのです。





マシュー・マクファディン  Matthew Macfadyen



トム・クイン -Tom Quinn   MI5 のセクションDのチーフ。
ごく普通の女性と恋に落ちますが、仕事(スパイ)のせいで破局。そのあとCIAのリエゾンの女性と関係を持つのですが、ややこしい事件に発展しまたもや破局、裏切り者に仕立て上げられ、誤解が解けたあとにスパイの仕事に欠かせない「自分を偽ること」に疲れて早期引退。
でも、最終シーズン10でMI5に雇われて外部委託された民間のセキュリティコンサルタントとして再登場!ロシアのスパイを捕獲しに向かいます。(暗殺?なのかなとも思っているのですが)。
トムの再登場はとっても嬉しいのですが、嘘をつくのに疲れ切って辞めたのにまたそんな仕事をしてたんですかと心配です。







マシューは完璧なハンサムというわけではないのですが、凄く魅力的。
コリン・ファースには悪いけれど、『Pride and Prejce』のMr.ダーシーはマシューが一番だと思っています。
(コリン・ファースは悪者の役柄のときのほうが生き生きしています。『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』など)

声も深くて聞き惚れます。



Prideandprejudiceposter.jpg
"Prideandprejudiceposter" by The poster art can or could be obtained from Focus Features.. Licensed under Fair use via Wikipedia.






ルパート・ペンリー・ジョーンズ     Rupert Penry-Jones


アダム・カーター Adam Carter  セクションDのチーフ
トム・クインのあとのチーフ。MI6から借り出されてそのままMI5に居つくことになりました。
初めは氷のような美女の奥さまのフィオナとともにスパイとして活躍していたのですが、フィオナが前夫のシリア人絡みの事件で前夫に殺された後、残された息子のウェズと父子の2人で静かに暮らすのかと思いきや、次から次へと美女が現れてトムをほうっておいてくれません。ベビーシッターの可愛い黒人の女性や、自分がダブルスパイに仕立て上げた領事夫人、そして同僚のスパイのロスと深い関係に。領事夫人には危うく暗殺されそうになる始末です。
そんな中、息子のウェズはどうしているのかと心配だったのですが、なんと寄宿学校に入れられてしまっていたのでした(スパイの仕事は昼夜問わずですので)。
最後は車に載せた爆弾の処理の際に爆死します。いつもは爆弾テロを残り2秒の時点でギリギリ防げるのですが、このときは間に合いませんでした・・・。

ルパート・ペンリー・ジョーンズはかなりの美形です。目の保養になり、どのドラマのどのシーンでも美しく、やたらと脱いでる(全裸も)シーンが多いようです。マシュー・マクファディンも下着(パンツ)だけの姿になっていましたが。












リチャード・アーミテイジ Richard Armitage


ルーカス・ノース Lucas North  ⇒本名はジョン・ベイトマン John Bateman    セクションDのチーフ
リチャードも疑うことのない正統派のハンサム。
8年もロシアで刑務所に入れられて拷問を受けた後、スパイの交換が行われて無事にMI5に復帰します。
ところが、別れた妻のエリザベータがロシアのFSB (旧KGB) のスパイであることを知り驚愕!
付き合ったCIAのリエゾンのサラにも裏切られ、(CIAのリエゾンは要注意!)、このあとに再会したロシアで囚われる前に付き合っていた恋人の女性との関係を守るために、MI5から情報を持ち出してしまいます。
そして、ルーカスは実はルーカス・ノースではなく、ダカール英国大使館爆破事件の犯人ジョン・ベイトマンであることがわかります。MI5の2次試験にパスしていたルーカスを殺して成りすましていた彼(ジョン)は、所属していたセクションDのメンバーに調査され、追跡されてハリーの目の前で飛び降り自殺してしまうのです。
自分で自分を裏切っていたルーカス(ジョン・ベイトマン)。
でも、最後に現れた恋人は妻と別れたあとすぐに付き合っていたの?いつ?という疑問がちょっとだけ芽生えてしまいます・・・。










ヘルミオーネ・ノリス  Hermione Norris


ロス・マイヤース Ros Myers
冷酷な女スパイといってもいいロス。
完璧な美女とは言えないかもしれませんが、美女のオーラを持っています。
アダム・カーターと関係を持ちますが、一時期姿を潜めてロシアに潜入。帰国後にアダムは爆弾テロで死んでしまい、ロス自身も内務大臣(Home Secretary) を狙った爆弾事件で内相を救出しようとして亡くなってしまいます。この内務大臣も若くてフレッシュでいつになくハンサムな大臣だったのに、(いつも大臣といえばオジサンばかりです)、あっさり亡くなって残念です。
かなりの存在感のある女性です。
陰謀を企てた父親は20年の刑務所暮らしをしています。









ピーター・ファース Peter Firth


サー・ハリー・ピアース Sir Harry Pearce  セクションD(テロ対策部)の指揮官
長い経験を持つスパイ。シリーズの途中のどこかで「Sir」の称号をもらい、Sir ハリーに。
部下に裏切られたり、メンターに裏切られたり、昔の同僚に裏切られたり、逮捕されたり、拷問を受けたりと忙しいです。
冷戦時代にダブルスパイに仕立て上げた昔の恋人のロシア人のエレーナが、実はロシアのスパイであり(3重スパイ)、自分の子供だと信じていたサーシャも息子ではないと知らされます。
エレーナは夫のイリヤ(元KGBで国際開発担当大臣)に殺され、それを恨んだサーシャに殺されかけますが、ハリーの心の恋人であるルースがハリーをかばって殺されてしまいます。
ルース亡き後、引退しかけたハリーが思い直してMI5のデスクに戻ったシーンでストーリーは終わります。

ハリーの年齢が不明だったのですが、2014年の時点で61歳。思っていたより若くて、ごめんなさいという感じです・・・。
そして、ハリーのロシア時代の若かりしときの姿が今のハリーよりハンサム過ぎる・・・のですが、あのチャーチル首相だって若いときは細見で全く違う外見だったので、(Wikiを参照してください)、ハリーだって・・・若いときは・・・。




Harry pearce.jpg
"Harry pearce" by personally acquired. Licensed under Fair use via Wikipedia.






キーリー・ホース  Keeley Hawes


ゾーイ・レイノルズ Zoe Reynolds  セクションDのメンバー
ハッとするほど美人なゾーイ。
すごくキーラ・ナイトレイに似ているな~とずっと思っていました。
極秘の諜報活動で起きた殺人事件の裁判で懲役刑を受け、チリへ逃亡。婚約者のカメラマンも追いかけて行って合流したので、幸せな人生を送っているはずです。



Zoe Spooks.jpg
"Zoe Spooks" by http://www.radiotimes.com/content/features/galleries/spooks/10/. Licensed under Fair use via Wikipedia.






ラザ・ジェフリー Raza Jaffery


ザファー・ユーニス Zafar Younis  セクションDのメンバー
傭兵の一団に誘拐されたザファー。行方が分からなくなっていましたが、パキスタンのテロリストに売られ、拷問を受けて死亡。
インド系でCuteな魅力のあるザファー。いつか無事に戻って来てくれると予想していたので悲しいです。
それにしてもUKはインド系のカッコよくてセクシーな俳優が豊富です。
『Death in Paradise』、『Homeland』などにもゲストで出演しています。




Zafar Younis (Spooks).JPG
"Zafar Younis (Spooks)" by http://www.bbc.co.uk/drama/spooks/downloads_series5_zafar.shtml. Licensed under Fair use via Wikipedia.






二コラ・ウォーカー Nicola Walker


ルース・エヴァーシェッド  Ruth Evershed  シニア情報分析官、後に内務大臣のセキュリティアドヴァイザー
キーパーソンであるルースは、ハリーを救うために死を装ってチームを離れますが、事件に巻き込まれて帰国。その際に内縁の夫を殺されてしまいます。
最終話では、ハリーとともに引退して海辺の緑のドアの家に住むことを夢見ますが、ハリーをかばってサーシャに刺されて死んでしまいます。



Ruth Spooks.jpg
"Ruth Spooks" by http://www.bbc.co.uk/drama/spooks/images/downloads/wallpaper/1024/series5_ruth_harry.jpg. Licensed under Fair use via Wikipedia.





他にも『Dr. House』のヒュー・ローリー(Hugh Laurie)がMI6の諜報員として出演していたり (MI6を姉、MI5を妹と呼び、飄々とした諜報員を演じています)、『Silent Witness』のDr. Leo のウイリアム・ガミナラ(William Gaminara)がゲスト出演していたり、英国ドラマで見覚えのある俳優さんが数多く出演しています✿



見始めると止まらない『英国機密情報部MI5   -Spooks』
長期のお休みの日に観るのがお薦めです。DVDは日本では最終シーズンまで出揃っていないので、huluの配信で観るのが簡単かもしれません☆彡






MI5の本部の外観として使われたロンドンの"Freemason's Hall"
『Touchwood』でも使用されました。
Freemasons' Hall, London.JPG
"Freemasons' Hall, London" by Eluveitie - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.



白が黒に、黒が白にガラリと変わるMI5の世界。まるでオセロゲーム(Reversi)。
実際のMI5のメンバーには、「いや、こんなにいつもテロ事件は起きないし、事務仕事も多いよ」なんて思われているのでしょうか。

2014年11月9日日曜日

本領発揮の 『HANNIBAL』 ハンニバル! Season1 第8~13話

『HANNIBAL』 Season 1 第8~13話 後半戦!








Season1 の後半です。
一言でいうと、ウィル・グレアムが果てしなく追い込まれてきて見ているのが辛いです。
猟奇的な殺人事件は相変わらず発生していますが、例によってサクサクと片づけられていきます。








【Fromage】 フロマージュ

人間の腸を楽器の弦として使用する殺人犯は、トロンボーン奏者の死体を楽器に作り変えるという独創的な殺しを披露しますが、ハンニバル博士の患者フランクリンからの情報によりウィルが犯人の自宅を訪れた際に、警官2人をなぜかあっさり殺して正体を現します。
その時にウィルも殺されかけますが、銃で応戦して撃退し、逃げ出した犯人はハンニバルの診察室に踏み込んでいきます。そこにいたのは、ハンニバルと犯人の友人のフランクリン。自首を勧めるフランクリンをあっけなくハンニバルが(!)ひねり殺し、犯人と死闘を繰り広げ、もちろんハンニバルが殴り殺してしまうのです。
犯人は壮健な黒人男性で、さすがのハンニバルも激しく戦うことになりましたが・・・。
面白いのは、連続殺人鬼はほとんど白人の男性ばかりという実際の統計があるなかで、今回の殺人鬼が黒人男性だということでした。





犯人になりきり、楽器(死体)を弾くウィル




楽器には目がないハンニバル♪




手ごわい相手




【Trou Normand】 トゥルー・ノルマン 

海辺で死体で作られた記念碑、トーテムポールが発見されます。ジグゾーパズルのような形状です。
これもまた猟奇的な死体の飾り方ですが、ウィルは得意の犯人に共感する能力を発揮、犯人は死体のトーテムポールで自分の偉業を祝っていることを感じとります。と同時にウィルは、自分の記憶が飛ぶ時間があることに気づいて不安を覚え始めます。
トーテムポールの一番上に最後に目立つように飾られた死体が特別なものであると判明し、一番下にある古い遺体と父子であることが確認されますが、DNAがマッチしません。
当時疑われた容疑者をウィルとジャックが尋問すると、「もう、戦えん」と簡単に自白します。年を取り、刑務所も介護施設も同じだと豪語する犯人ですが、最後の殺人の被害者が自分の息子であったことをウィルから告げられて愕然とします。








感心してますか?







【Buffet Froid】 ビュッフェ・フロワ

若い女性が惨殺された事件で、犯人の心を探るウィルの心は不安定に揺れ動き、事件現場の証拠を荒らしてしまいます。
「自分の脳に異常があるのではないか」と脳をMRIでスキャンしてもらうウィルですが、ハンニバルが紹介した神経科医とハンニバルは、抗NMDA脳炎であるウィルの症状を隠し、異常はみつからないと告げます。神経科医はウィルをこっそり経過観察するつもりのようでしたが、ハンニバルは女性を殺した犯人であるジョージアの殺し方を模倣し、神経科医を惨殺。
ところが、その現場をジョージアに目撃されるのですが、ジョージアはコタール症候群という感染症にかかっており、近親者の顔さえも認識できないため、ジョージアが殺したとみなされることに・・・。





真剣にスキャンされるウィル
この間にハンニバルによる殺人が!




友人の顔も認識できないジョージア。ベッドの下に隠れていて怖い。




手際よく神経科医を惨殺するハンニバル。帽子はかぶらなくていいの?



【Roti】 ロティ

州立ボルティモア精神障害者犯罪病院に収容されている外科医のギデオンは、、妻と親戚を殺した自分を"チェサピークの切り裂き魔"だと思い込んでいたのですが、実はチルトン博士に洗脳されていたことに気づきます。
裁判所に向かう車のなかで警官達を殺して逃げ出したギデオンは、自分に関係した精神科医たちを殺して本物の"チェサピークの切り裂き魔"にアピールし、記者のラウンズとチルトン博士を拉致し、チルトン博士に部分麻酔を施して生きたまま内臓を次々に取り出していきます(!)
小説の"HANNIBAL"ではチルトン博士は生きたまま脳を食べられていますので、どっちにしろ博士は生きたままということがキーポイント。
そんな中、殺された精神科医のひとりの腕が切り取られており、これはギデオンによる殺人ではなく、チェサピークの切り裂き魔からのメッセージだと読み取ったウィルは、チルトン博士たちの救出に向かいます。
逃げ出したギデオンを見つけたウィルは、彼をハンニバルのもとへ連れていくのですが、現実と幻覚の区別がつかなくなってしまい、その場で発作を起こしてしまいます。
ウィルが意識を失っている間に、ハンニバルはアラーナ・ブルーム博士の居場所をギデオンに教え、彼女を殺させようとするのですが、駆けつけたウィルにギデオンは銃殺されます。





外科医なのでメスさばきは上手




チルトン博士はなんとか助かりました!(こんな状態から…)





【Releves】 ルルヴェ
【Savoureux】 ザブルー

最後の2話でドンドン追い込まれていくウィル。

酸素カプセルのなかで病状の回復をはかり、記憶を取り戻していくコタール症候群のジョージア。
しかし、記憶を取り戻されたくないハンニバルによってカプセルのなかで焼死させられてしまいます!
ウィルの脳炎も伏せられたまま、症状が悪化していくなか、烏骨鶏のスープを差し入れるハンニバルはちょっと可愛いのですが、アラーナ博士を殺せなかったためウィルを独占できません。










最後まで可哀そうなジョージア



脳炎のため、時計の絵が変





ジョージアの死に疑問を持つ一方、BAUの指揮官のクロフォードはハンニバルが何か情報を隠しているのではないかと思い始めますが、真相には近づけません。

ウィルは、第1話のミネソタの殺人鬼ホッブスの娘アビゲイルと自分自身がまだホッブスに囚われており、ミネソタに行くことで解決するのではないかと考えてアビゲイルとともに現場に向かいます。
けれどもその隙を狙い、ハンニバルはウィルを数々の模倣殺人を起こした犯人であるという証拠を仕掛け、ウィルを陥れてしまいます。

なんてことをするの、ハンニバル!

と、思ったのですが、そういえばハンニバルはサイコパス。完全なサディストともいえます。
「ウィルは友人なんだ」と自分の精神科医に言い切るハンニバルの180度捻じれた愛情表現なのでしょうか。
可愛い小鳥を籠に閉じ込めるように、ウィルを檻のなかに閉じ込めたのです。





なにかの錠剤とともに、アビゲイルの耳を吐き出したウィル




"神"ではなく、"悪"は細部に宿る
ウィルの作成した毛針に殺人の証拠が仕込まれます




連行されるウィルを悲しく見送ります




ようやく視界が開け、ハンニバルが何者か分かったウィル。
しかし、駆けつけたクロフォード課長により逮捕されてしまいました。
こういう時だけタイミングのいいクロフォード!










  檻の中のウィル








アビゲイルは"耳"を発見されたため、(ウィルが吐き出しました)、殺されたとされてますが、本当に死んでいるのでしょうか?耳がなくても、元気に暮らせそうですが。

ハンニバルが檻のなかのウィルに微笑むラストシーン。微笑みが邪悪すぎて、怖くなりました・・・。
そして模倣殺人も模倣をもっとキッチリやっていたら、模倣だと見破られなかったのでは?ハンニバルのミス?





Season2の予告編  まだウィルはBAUの第1容疑者のままです



このままでは悲しいので、2014年のComic Con -コミコンよりマッツがネクタイ結びに苦労する姿などを見たいと思います♪



  マッツが可愛いです



All photos by HANNIBAL facebook.