日本で観ることのできるドラマといえば、たいていはアメリカかイギリスのドラマです。
たまにイタリアやフランス、ドイツやオーストリアのドラマも放映されて新しい発見があったりするのですが、今回は2011年に放映終了となった『Spooks』、日本でのタイトルは『MI5 英国機密情報部』を取り上げたいと思います。
"Spooks003". Via Wikipedia.
『Spooks -MI5』の作者はDavid Wolstencroftという、ハワイ生まれでエディンバラで育ったという方です。知人の英国人がDavidに会ったことがあるそうなのですが、複雑なドラマを作るだけあって、『とても頭がいい人』だそうです。
このドラマはとにかくテンポがよく、毎回違う切り口で話が展開していきます。
長く続くドラマはワンパターンになりがちな時もありますが、UKのドラマ(ミステリー)はワンパターンな展開に陥ることがなくて、客観的に描かれており、とても見応えがあります。もちろん、ワンパターンな展開にホッとするドラマもあるのですが・・・(『NCIS』などは、途中で何回か見逃してもOK! な感じです)。
メインの登場人物も、サブの登場人物も、遠慮なくドンドン入れ替わっていきます。新しいキャラクターが出てきたら要注意!誰かか消えてしまう合図です。
しかし、引退したり、死んでしまったりするのは必ずしも派手な事件のあとでなく、大きな出来事のあとの通常の(?)爆弾テロに巻き込まれたり、良心に目覚めて嘘をつけなくなって引退するのが面白いのです。
マシュー・マクファディン Matthew Macfadyen
トム・クイン -Tom Quinn MI5 のセクションDのチーフ。
ごく普通の女性と恋に落ちますが、仕事(スパイ)のせいで破局。そのあとCIAのリエゾンの女性と関係を持つのですが、ややこしい事件に発展しまたもや破局、裏切り者に仕立て上げられ、誤解が解けたあとにスパイの仕事に欠かせない「自分を偽ること」に疲れて早期引退。
でも、最終シーズン10でMI5に雇われて外部委託された民間のセキュリティコンサルタントとして再登場!ロシアのスパイを捕獲しに向かいます。(暗殺?なのかなとも思っているのですが)。
トムの再登場はとっても嬉しいのですが、嘘をつくのに疲れ切って辞めたのにまたそんな仕事をしてたんですかと心配です。
マシューは完璧なハンサムというわけではないのですが、凄く魅力的。
コリン・ファースには悪いけれど、『Pride and Prejce』のMr.ダーシーはマシューが一番だと思っています。
(コリン・ファースは悪者の役柄のときのほうが生き生きしています。『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』など)
声も深くて聞き惚れます。
"Prideandprejudiceposter" by The poster art can or could be obtained from Focus Features.. Licensed under Fair use via Wikipedia.
ルパート・ペンリー・ジョーンズ Rupert Penry-Jones
アダム・カーター Adam Carter セクションDのチーフ
トム・クインのあとのチーフ。MI6から借り出されてそのままMI5に居つくことになりました。
初めは氷のような美女の奥さまのフィオナとともにスパイとして活躍していたのですが、フィオナが前夫のシリア人絡みの事件で前夫に殺された後、残された息子のウェズと父子の2人で静かに暮らすのかと思いきや、次から次へと美女が現れてトムをほうっておいてくれません。ベビーシッターの可愛い黒人の女性や、自分がダブルスパイに仕立て上げた領事夫人、そして同僚のスパイのロスと深い関係に。領事夫人には危うく暗殺されそうになる始末です。
そんな中、息子のウェズはどうしているのかと心配だったのですが、なんと寄宿学校に入れられてしまっていたのでした(スパイの仕事は昼夜問わずですので)。
最後は車に載せた爆弾の処理の際に爆死します。いつもは爆弾テロを残り2秒の時点でギリギリ防げるのですが、このときは間に合いませんでした・・・。
ルパート・ペンリー・ジョーンズはかなりの美形です。目の保養になり、どのドラマのどのシーンでも美しく、やたらと脱いでる(全裸も)シーンが多いようです。マシュー・マクファディンも下着(パンツ)だけの姿になっていましたが。
リチャード・アーミテイジ Richard Armitage
ルーカス・ノース Lucas North ⇒本名はジョン・ベイトマン John Bateman セクションDのチーフ
リチャードも疑うことのない正統派のハンサム。
8年もロシアで刑務所に入れられて拷問を受けた後、スパイの交換が行われて無事にMI5に復帰します。
ところが、別れた妻のエリザベータがロシアのFSB (旧KGB) のスパイであることを知り驚愕!
付き合ったCIAのリエゾンのサラにも裏切られ、(CIAのリエゾンは要注意!)、このあとに再会したロシアで囚われる前に付き合っていた恋人の女性との関係を守るために、MI5から情報を持ち出してしまいます。
そして、ルーカスは実はルーカス・ノースではなく、ダカール英国大使館爆破事件の犯人ジョン・ベイトマンであることがわかります。MI5の2次試験にパスしていたルーカスを殺して成りすましていた彼(ジョン)は、所属していたセクションDのメンバーに調査され、追跡されてハリーの目の前で飛び降り自殺してしまうのです。
自分で自分を裏切っていたルーカス(ジョン・ベイトマン)。
でも、最後に現れた恋人は妻と別れたあとすぐに付き合っていたの?いつ?という疑問がちょっとだけ芽生えてしまいます・・・。
ヘルミオーネ・ノリス Hermione Norris
ロス・マイヤース Ros Myers
冷酷な女スパイといってもいいロス。
完璧な美女とは言えないかもしれませんが、美女のオーラを持っています。
アダム・カーターと関係を持ちますが、一時期姿を潜めてロシアに潜入。帰国後にアダムは爆弾テロで死んでしまい、ロス自身も内務大臣(Home Secretary) を狙った爆弾事件で内相を救出しようとして亡くなってしまいます。この内務大臣も若くてフレッシュでいつになくハンサムな大臣だったのに、(いつも大臣といえばオジサンばかりです)、あっさり亡くなって残念です。
かなりの存在感のある女性です。
陰謀を企てた父親は20年の刑務所暮らしをしています。
ピーター・ファース Peter Firth
サー・ハリー・ピアース Sir Harry Pearce セクションD(テロ対策部)の指揮官
長い経験を持つスパイ。シリーズの途中のどこかで「Sir」の称号をもらい、Sir ハリーに。
部下に裏切られたり、メンターに裏切られたり、昔の同僚に裏切られたり、逮捕されたり、拷問を受けたりと忙しいです。
冷戦時代にダブルスパイに仕立て上げた昔の恋人のロシア人のエレーナが、実はロシアのスパイであり(3重スパイ)、自分の子供だと信じていたサーシャも息子ではないと知らされます。
エレーナは夫のイリヤ(元KGBで国際開発担当大臣)に殺され、それを恨んだサーシャに殺されかけますが、ハリーの心の恋人であるルースがハリーをかばって殺されてしまいます。
ルース亡き後、引退しかけたハリーが思い直してMI5のデスクに戻ったシーンでストーリーは終わります。
ハリーの年齢が不明だったのですが、2014年の時点で61歳。思っていたより若くて、ごめんなさいという感じです・・・。
そして、ハリーのロシア時代の若かりしときの姿が今のハリーよりハンサム過ぎる・・・のですが、あのチャーチル首相だって若いときは細見で全く違う外見だったので、(Wikiを参照してください)、ハリーだって・・・若いときは・・・。
"Harry pearce" by personally acquired. Licensed under Fair use via Wikipedia.
キーリー・ホース Keeley Hawes
ゾーイ・レイノルズ Zoe Reynolds セクションDのメンバー
ハッとするほど美人なゾーイ。
すごくキーラ・ナイトレイに似ているな~とずっと思っていました。
極秘の諜報活動で起きた殺人事件の裁判で懲役刑を受け、チリへ逃亡。婚約者のカメラマンも追いかけて行って合流したので、幸せな人生を送っているはずです。
"Zoe Spooks" by http://www.radiotimes.com/content/features/galleries/spooks/10/. Licensed under Fair use via Wikipedia.
ラザ・ジェフリー Raza Jaffery
ザファー・ユーニス Zafar Younis セクションDのメンバー
傭兵の一団に誘拐されたザファー。行方が分からなくなっていましたが、パキスタンのテロリストに売られ、拷問を受けて死亡。
インド系でCuteな魅力のあるザファー。いつか無事に戻って来てくれると予想していたので悲しいです。
それにしてもUKはインド系のカッコよくてセクシーな俳優が豊富です。
『Death in Paradise』、『Homeland』などにもゲストで出演しています。
"Zafar Younis (Spooks)" by http://www.bbc.co.uk/drama/spooks/downloads_series5_zafar.shtml. Licensed under Fair use via Wikipedia.
二コラ・ウォーカー Nicola Walker
ルース・エヴァーシェッド Ruth Evershed シニア情報分析官、後に内務大臣のセキュリティアドヴァイザー
キーパーソンであるルースは、ハリーを救うために死を装ってチームを離れますが、事件に巻き込まれて帰国。その際に内縁の夫を殺されてしまいます。
最終話では、ハリーとともに引退して海辺の緑のドアの家に住むことを夢見ますが、ハリーをかばってサーシャに刺されて死んでしまいます。
"Ruth Spooks" by http://www.bbc.co.uk/drama/spooks/images/downloads/wallpaper/1024/series5_ruth_harry.jpg. Licensed under Fair use via Wikipedia.
他にも『Dr. House』のヒュー・ローリー(Hugh Laurie)がMI6の諜報員として出演していたり (MI6を姉、MI5を妹と呼び、飄々とした諜報員を演じています)、『Silent Witness』のDr. Leo のウイリアム・ガミナラ(William Gaminara)がゲスト出演していたり、英国ドラマで見覚えのある俳優さんが数多く出演しています✿
見始めると止まらない『英国機密情報部MI5 -Spooks』。
長期のお休みの日に観るのがお薦めです。DVDは日本では最終シーズンまで出揃っていないので、huluの配信で観るのが簡単かもしれません☆彡
MI5の本部の外観として使われたロンドンの"Freemason's Hall"
『Touchwood』でも使用されました。
"Freemasons' Hall, London" by Eluveitie - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
✿白が黒に、黒が白にガラリと変わるMI5の世界。まるでオセロゲーム(Reversi)。
実際のMI5のメンバーには、「いや、こんなにいつもテロ事件は起きないし、事務仕事も多いよ」なんて思われているのでしょうか。